彼女はヴィヴィッドカラーに憧れて-2
なんで見てしまったんだろう。
見つけなければ、まだ私の世界は色を持っていたのに。
たとえ、それが偽りの色だとしても。
足元から視線を上げると、子供の数は半分程度になっていた。
夕日はもう沈み、鮮やかな蒼が広がり始める。
毎日、世界がこんなにも鮮やかならば。
私はまだ景色を見られるはずなのに。
私は、自分の世界に鮮やかな色が欲しい。
錆びた金属音が隣から聞こえる。
視線を向けると、そこには名前も知らない彼がいた。