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モノクロームは雨に流れて
【青春 恋愛小説】

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モノクロームは雨に流れて-1

そいつは、まるで白黒の世界の住人かと言いたくなるくらい、肌は白くて髪は黒かった。

初めて会ったのは夜の児童公園。俺がコンビニから家へ帰る時、そいつはブランコに腰かけていた。

制服が、俺の通ってる学校とは違うことを教えてくれた。

泣いていたのか知らないが、鼻をすすっていた。




本当ならこんな面倒事には首を突っ込みはしない。絶対にだ。

ただ、周りが暗かったし、なんか泣いていたっぽいから、しょうがないから声をかけたんだ。

本当は、ちょっとそいつが可愛い感じだったからだけど。

そいつは別に俺が近づいても何も言わずにブランコを軽く漕いでいた。

俺も隣のブランコに座って数分待った。先に参ったのは向こう。



『何か用』



聞こえたのは、泣きすぎて声が枯れた某猫型ロボットのような声。

なんとまぁ刺々しい言葉だと感心して、二秒くらい経ってからむかついた。

夜の公園に女の子一人じゃ危ないだろうからと思ったのに。こっちだって昼間だったら素通りしているところだ。

明らかに不快感を露にされた俺は、模範生徒よろしくそいつに一通り注意をしてブランコから立った。

可愛いかと思ったら俺は明らかに邪魔らしいし、注意はしたのでもういる理由もない。

とりあえず、入口まで戻りホットレモンティーを買って、そいつに渡した。

たしか、レモンとかオレンジとかは心を落ち着けるのにいいと、どっかで聞いたような気がしたからだ。



『ありがとう』



やっぱり泣きすぎて猫型ロボットみたいな声で礼を言うそいつを見て、ちょっと可愛いと思った。

小銭は使ったが、可愛い女の子に出会えたと思えば安いもんだ。面倒事はごめんだが。

俺は女の子にもう一度注意をして、公園を後にした。




次の日の夕方、学校から帰る時に公園を見たら、またそいつがいた。

ガキどもが遊んでいるなか、やっぱりブランコに腰かけて。

俺もまた公園に入り、そいつの隣のブランコに座る。


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