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命日が誕生日
【コメディ 恋愛小説】

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命日が誕生日9-2

「……もちろん!
命の重さを軽視してるつもりは無い、大事にも思ったし、涙も流した!!
……だが所詮、人斬り…
今の世の中では俺の価値観など…絵空事…
……ただの人殺しだ…」


『…………っ』


「今の平和な世は良い…
確に…足りないもの、なくしたもの、うまく行かないものも多い…
しかし…考える時間が持てる…………
………
俺も死に…
この【体】になってから、幾月もの間…
人々を見て…ものを考え……自分を見つめ……
気が遠くなる程の間そうやって生きて来た…
………………
そして…
俺はある日、一人の少女を見付けた……
その少女は、周囲から散々に愚弄され、侮蔑され、貶められ…
嫌と言う程に攻撃されているにも関わらず……
ただ1人…静かに
誰にも頼らず…
誰も攻めず…
誰も傷付けようとはしなかった……
俺は興味を持った…
何より不思議に思った…とても理解しがたかった…何故…そうまで気高く美しくいれるのかと…
……………
次の日も…
その次の日も…
俺は彼女を見つめた…しかし彼女は、相変わらず…誰を恨むでも…誰を傷付けるでもなく…
その娘は1人生きている
……………
いつしか俺の日常は、その娘を見つめる事に変わっていった……
幾日も幾日も…
その娘は耐え…自分だけを責め続けた…
…………
だがある日…彼女はビルへと上っていった…
俺は酷く焦燥した…
彼女はそれでも誰一人責めようとはしない
俺は己を呪った…
………………
……………
そして…
彼女は最後に微笑み
…飛び下りた………
俺は焦った
俺は彼女を助けたいと
俺は彼女を守りたいと
俺は彼女を死なせてはいけないと…思った
……………
いや…俺は多分…自分が亡くしてきた何かを…
彼女は持っている気がしたのだろう…
そして俺はその娘と契約を結んだ…
自分を変えてくれるかもしれないと…
自分は変われるかもしれないと……
……………
………
しかし…
俺はやはり…
俺のままだった…
………
所詮…
人殺しは…
人殺しのままだった…」


……………


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