投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

命日が誕生日
【コメディ 恋愛小説】

命日が誕生日の最初へ 命日が誕生日 20 命日が誕生日 22 命日が誕生日の最後へ

命日が誕生日5-1

   【第5話】
  戦況は変化する


か……格好良い………

その光景を眺めながら…私は、そんな間が抜けた事を考えていた…。

教室内に静寂が広がる

彼の、誰を哀れむでも無い…誰を威嚇するでも無い…そのあまりに【普通】過ぎる空気に…
教室全体が…
その場の人全てが…
まるで彼に完全に呑まれているようだった…

そして、彼は何事も無かったかのよぅに私の元に来ると…不意に私の頭を引き寄せ…

「ただいま…」

と柔らかに微笑んだ…



…っと次の瞬間…

教室内は、先程とうって変わって、大きな歓声に包まれた……


私はというと、まだ現状が理解出来ず…出来の悪い彫刻のよぅに固まったまま、ただ…彼のされるがまま、彼の胸に顔をうずめていた……。



未だ歓声が鳴り止まぬ中、担任の先生が教室に入って来た…。

どうやら零は、何をどうやったのか(何と無く怖くて聞けなかった…汗)
私と同じ高校…同じ学年…同じクラスに転校生として、潜り込む?事にしたらしい……

そして教壇の前、皆に改めて先生に紹介をされた時…彼はまたも

「2度目だが…騎咲 零(きざき れい)
御神 天迦の男だ…以後よろしく…」

と同じ台詞を繰り返した…そして1度目と違い、すぐに教室は2度目の歓声に包まれた……。


「うーん…じゃぁ丁度、空いてる事だし御神のとなりの席で良いな?」

…と先生に促され、周りの歓声をまったく意識する事も無く、私の隣へと腰を下ろした…。

「ふぅ〜…しかし天迦…学校とは実に賑やかなものだな?」

『そ……そぅかな?』

(それは零のセイだよぉ〜……っていぅか……そんな事より早く、お礼言わないと!!………駄目だ……何かマトモに零の顔が見れないよぉ……)

「まぁ…今後は学校でもよろしく頼む…」

『うん……わかった』

(ぅわ!!……私…愛想無さすぎだよ!!……ちゃんと言わなきゃ……助けてくれてありがとうって……学校まで来てくれて嬉しかったって……)


私が、あれよあれよとテンパっているうちに、HRが終り担任の先生が教室を出て行く…

その途端、何人かの女生徒が、零の周りに群がってきた……。


命日が誕生日の最初へ 命日が誕生日 20 命日が誕生日 22 命日が誕生日の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前