命日が誕生日5-3
『『ごめんなさい』』
しかし、その子達が耐えられなくなったのか、口々に謝罪の言葉を口にすると、彼はうって変わって、とても優しく微笑み
「分かってくれれば、それで良い…」
といった…
すると…面白いようにその場の空気は緩和し元の騒がしい教室へと戻る
彼は不思議な人だ…
それは彼だからなのか
それは幽霊だからなのか
他人は良くも悪くも…彼に呑まれてしまっているような気がする…
彼の些細な動き1つに、その場の空気…そして感情さえも左右されてしまってるかのようだ…
(何か……私…惨めだな……零が居てくれるのは、心底嬉しい……でも…零に比べて…自分はなんてちっぽけなんだろう)
私は変わりたい…
ホンの少しでも今より彼に近付きたい…
彼の側に居ても良いと思える自分で在りたい…
私は彼の綺麗な横顔を横目に眺めながら…
そぅ思ったんだ…
そして休み時間の度に、零の周りには男女問わず人が集まっている…
私はそんな中、満足に話す事も出来なかった
(はぁー……何か……凄くモャモャする……
やっと、もうすぐ昼休みか…昼休みもきっと零と話せないんだろうな…
まぁ…転校初日だし……しょうがないけどさ…)
私は正直…ちょっとヤサグレ気味だった…
分かってる…
別に零は悪くない…
他の子達だってそぅ…
悪いとすれば、こんな事くらいで相変わらずウジウジいじけてる、私。
キーン コーン
カーン コーン
昼休みを知らせるチャイムが校舎に響きわたる
すると一気に学校全体が生徒達の喜々とした声で包まれる……
(むぅー…今日も図書館で時間つぶそう…)
私は友達もいなく、お昼も食事を採らない為、大抵は図書館で昼休みを1人過ごしている
そして今日もいつも通りに図書館へと向かおうと立ち上がると、零が私に声をかけてきた…