命日が誕生日5-2
『ねぇ♪騎咲君って何でこの高校に来たの?』
「天迦の側にいる為だ」
『えぇーっ!?じゃぁ…本当に御神さんと付き合ってるの?』
「あぁ…俺は天迦を守る為に存在している」
『『キャァーーー♪』』
零は、他愛も無い…ただの興味本意の質問に律儀に…そして聞いてるだけの私の方が、恥ずかしくて赤面するよぅな台詞を普通に話している…
『えぇーっ!でも何で?御神さんってこう言っちゃ何だけど暗いし、目立たないし…』
ズキン…
そぅ……分かっている
分かってはいた筈なのに
何故か酷く心が痛んだ…
彼は私を愛してはいない
自分が成仏する為に
私と契約を結び…
そして私を守ってくれているだけなのだ…
『ホント騎咲君、超モテそうなのに…ねぇ?』
『何か……ねぇ?』
『『あはははははっ』』
ぃゃ……
いやだ……
聞きたくないよ…
「オイ!!!!」
その時…彼の声に初めて【怒り】という感情がこもった気がした…
「あんた等が例え何を言っても何をやっても俺にはなんら興味はない…
しかし…俺の天迦を少しでも貶める様な真似をしたら……俺は誰であろうと容赦はしない…
……解ったな?」
再び教室全体が静寂により支配される…
しかし…先程までとの違いは、そこには確実に周囲への【威圧】が含まれる空気だった……