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小悪魔と盲目なるワンコちゃん
【大人 恋愛小説】

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小悪魔と盲目なるワンコちゃん-7

……くそぉおおおお。
ふと前方のピンク建物から、白っぽいワンピースの女性が出てきた。
うわっ、絶妙タイミング。
「あれ?今の女の人、1人で出てきましたよ〜。男の人はど〜したんかな?」
わざと言ってんな、わざと言ってんな、この確信犯め!
だけど、そうはいかんぜよ。
「そりゃあ、不倫かもね。よくあるじゃん?周りの目を気にして、どっちかが先に出て、後から出るとか」
笑顔で呑気に答える。
こんな時にすらすらと言えるあたしは、マジ天才だと思う。それか天然か?
「不倫?……あ〜納得」
「でしょ?」
「も、ももも、もしかして……紫煌さん、ふ、不倫…したことあります?」
「ないよ〜。でも、その前に見破っちゃうかもね、ふふ」
独身を装った既婚者たちも、あたしにかかればゲロりんゲロりんよ。
「そ、そうなんですか……気になりますね〜あの女の人……」
まだ言うんかい、コラっ!
「興味あるの?」
上目遣いで先制攻撃。
「う、うん!ありますっ」
引っかかったな。
「じゃあ、1人でいってらっしゃ〜〜〜い」
「っ……え!??」
足を止めて両手を振る笑顔満面なあたしに、呆然とする彼。
「っな、ななな、1人で何するんですか!?」
「1本ヌケるよ〜〜〜」
「ぶ、っぼ、へ、※◎▽★*§▲☆っげふげぶんっ!!」
咳き込む彼に、冷めた一瞥。
「何がっついてんの?」
「い、いや…」
ふん、回りくどいことしやがって……生憎とその手には乗らんから!
んべっ。
「あたしらは友達。それもプラトニックで。何回も言ったよね?あなたも友達でいいって。だから、こ〜ゆ〜所は無し。昨日のキスで誤解させたらごめんね」
彼にわかりやすく区切って、ゆったりとはっきり言い聞かせるように。
「で、でも…俺らいい大人だし、割り切った関係も……ごにょごにょ」
「もう、あたし帰るね」
「あっ、あああ〜〜〜待ってください待ってくださいっ!まだ行きたいところ行ってませんよ!」
ちっ。
「どこよ?」
「Pセンター」
はあっ?
まるっきり逆方向じゃん!


という訳で、バスで行ってきたよ。Pショッピングセンター。
最初から早く言ってよね!
あちこち無駄に歩き回って疲れて、喉も乾いてるんだから!
「何するん?」
カフェでの、まったり一杯を期待するあたし。
「紫煌さんに何かプレゼントしたいんです!」
……ガ、ックリ。
気がきかねぇ〜〜。
あたしさ、基本的に『物』でプレゼントされるの好きじゃないんよ。
彼氏とか好きな人からだったら許せるけど、それ以外はなんか『情念』が乗り移ってきそうで怖いやん?
付き合いも深まっていない初期段階から金を遣ってまで、あたしの歓心を買おうとする下心がウザイのね。
それよりも「疲れた?あちこち連れ回してごめんね。少し休もうか」みたいな、ちょっとした気遣いの方が嬉しいのに……。
過去があって、今言えること。
―――女は金のようで金じゃなく、心理作戦よ!


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