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小悪魔と盲目なるワンコちゃん
【大人 恋愛小説】

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小悪魔と盲目なるワンコちゃん-6

―――あ、ストレスの暗示だ……ヤバっ。
実はあたし、夢占いをかじってんのね。
手相にも『神秘十字線』があるし、その直感力や予知力のおかげか知らないけど、よく夢に助けられてきた。
彼との出会いも実は、去年の秋から予感していたの。
まぁ、それはさておき。
赤は変化か情愛、黄は財産か警告。でも遊園地が交友関係によるトラブルを暗示するから……
「彼には用心しなさい」
ってか。
はあ〜〜面倒臭ぇ。



14時、駅前にて―――。
案の定、チャリで来た彼は遅刻。
あれほど「時間を守って」と念を押したのに、謝りもせず何が「待った?」だと?
「こんにちは、22分の遅刻ね。…ってか、コラっ!遅れるなら一言メール入れなさい!それとも何?寝坊したとか?」
声を低めて、ドスをきかす。
「いや……特に……」
「もしかして駆引のつもり?」
「えっ……?」
ピクッ、肩までそわそわし始める彼。
はん、やっぱりか。
「遅刻するのが、男としてカッコいいとか思ってんでしょ?」
よく勘違いするヤツがいるんだよね〜。
小説や漫画などで「や、待った?」「ううん、今来たばかり」とか、あれ!
全部言わなくても即理解できた方には、テレパシーキッス進呈ね。
「や、そ〜ゆ〜訳じゃないけど……」
何年、社会人やってんのよ?
「せっかく自分の時間を割いて来たのに、そこまで礼儀知らずなら会っても無駄。あたし、帰るわ」
たかが時間だろうけど、遅刻はクレームへの第一歩。
彼、出世しないな〜〜。
「えっ!?ごめんなさいごめんなさいもうしません今度から気を付けます許してください!」
八の字眉の犬顔で、慌てる彼。
「悪いと思ってる?」
あたしに駆引は無用なの!
「はい。ただ紫煌さんが俺を待ってる間、俺のことをもっと考えてくれたらいいな、と。もう本当、それだけで」
はあっ?
「馬っ鹿みたい」
畜生!昨日のキスで期待させちまったか?
後の祭りだ!


デートプランは特になし。
「紫煌さんが行きたいところなら、どこでも」
あ〜この台詞、男が言っちゃいけんわ。
モテない見本。
もう男として見れなくなる。
女は基本的にスマートに弱いからさ、そんな男は逆に優柔不断に見えて白けちゃうのね。
本人は「嫌われたくない」「あまり店を知らないから」無難な気持ちで言っているだろうけど、本当にあたしと仲良くなりたいなら、ヘタレなりに喜ばせる気力で来なさいよ!
もうっ!
ある意味、想定範囲内だけど!
……彼、ぜってぇヤリ目的だ。
いざとなったら、尻尾を巻いて逃げるタイプだな。
警戒心フルモード。
とりあえず、あたし提案でプラン消化したら!
「行きたいところがあるんだけど…」
彼に誘導されるまま案の定、ラブホテルロードへ一直線!
……ワンコのくせに生意気な。
「どこ行くの〜〜?」
並んで歩きながら、わざととぼけるあたし。
「ん〜とね、ちょっと散歩」
苦しい苦しい苦しい、はっきり言えっ!
これだから、次男ワンコは厄介なんだよ!
勝手に熱くなって独走!
無理矢理ホテルに連れ込まれていないだけに、まだマシか?
長男ワンコの方が忠実で気楽で、害もなく扱いやすいのにぃ。


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