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小悪魔と盲目なるワンコちゃん
【大人 恋愛小説】

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小悪魔と盲目なるワンコちゃん-12



「お姉って、すげぇよな〜。金まで返すって」
「そうか?最初から割り勘のつもりだったけ〜、借りを作ったままだと気持ち悪いじゃん」
家のリビングキッチンにて、2つ下の弟との会話。
「本性も見抜いてさ……彼の気持ちがわかるだけに同情するよ。俺だってイイ女を見れば『ヤレるか、ヤレないか』まず考えちゃうな」
「最低じゃな、お前」
「やっぱ、期待しちゃうじゃん?彼も馬鹿じゃな〜。お姉って普段呑気だけど、いっぺんキレると怖えぇもん。敵に回しちゃって……ぐふふっ」
「失敗したな〜ってのもあるけど、ね」
そう、あたしを怒らせると怖いよ〜。今さら『たられば』しても遅いけどね。
「でも、フって正解。俺より年下なのは嫌だけど、遅刻は許せん」
「じゃろ〜?」
「社会人として常識じゃろ?まあ、単に俺が短気なのもあるけど、遅刻すんなら一言メール入れろよな〜」
「しなかったんだよね〜」
これが気心の知れた仲なら、多少許せるけどさ。
「にしても、ぼれ〜迷惑な男じゃな。お姉を写メまくるって、初めて聞いたわ。マナーがなっとらん」
「写メでも肖像権があるじゃん?だから『撮っていい?』とか一言断るのが礼儀なのによ、あんにゃろ〜勝手に撮りやがった」
あの時のショックを思い出しただけでも、胸がムカムカ。
「いっぺん家に連れて来りゃあ、俺が殴ってやったぞ」
「ありがと。でも家がバレるとストーカーになりかねんけ〜、いいわ」
そう、今になってそれだけが救い。
「まぁ、次に頑張れ…と言いたいけど、早く嫁に行ってくれよ〜。俺が先に婿に行っちゃうぞ〜」
「遠慮せず行けば?待たせると彼女に悪いじゃん?」
弟には5つ上の彼女がいる。
「うん……」
「愛してんじゃろ?」
「う〜〜…」
「迷うぐらいなら結婚すんな」
「いや、大丈夫だって!…とゆ〜か、姉弟の順番は守りたかったな。こんなイイ女のに、なんでイイ男がおらんの?」
家族ひいき目じゃな〜。
「手に負えんあたしに見合う男がいればね」
「確かに、ただの弱っちぃ男は駄目じゃ。ほら、前のあの男……今思えば良かったな〜って。なんで別れたん?」
「あいつ?あれはいけんよ。懐は大きかったけど、将来が見えんかった。例えばさ〜、夏に会った時はめためたカッコ良かったのに、冬になれば色褪せて見えるような……」
「あ、わかるわかる!……そっかあ」
「熱くなればなるほど、後から白けちゃうんだよね」
いくら顔が良くても金を持ってても、季節を通して愛せなきゃ意味がない。
特に、冬とは相性が悪いあたし。クリスマスもお正月にも縁がない…しくしく。
やっぱ自分の本能に頼るしかないのかな?
「お姉のことだから、言わなくてもちゃんとわかってんじゃろ〜な」
それほどじゃないけどね。
でもまぁ、信頼してくれる存在がいるのはありがたいな。心強くなれる。
今回のことは、過去の因縁を払って厄落とししたつもりで、また次へ頑張ればいっか。



最後に、大事なポイント。
犬顔のあたしには結局、猫顔と相性がいいってこと!
周りを見てわかることだが、犬顔×犬顔または猫顔×猫顔のカップルは何故か駄目になりやすい。
……これも、あたしだけに通ずる持論かもしれないけどね。



懲りずにめげずに、気長に探そっか。
ときめき故障中。
だけど、萌えきゅん稼働中。
自分の好き嫌いはちゃんと判別できるから、恋愛オンチは恋愛オンチなりに。
とりあえず。
大好きな桃尻小尻で猫顔、下きゅんできる男性を狙ってみよっか。

……愛は後から付いてくるからね。





《Fin》

BGM曲:堂本剛『ナイトドライブ』
参考文献:梶原まさゆめ著『愛の夢占い』『願いがかなう夢占い』主婦の友社


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