命日が誕生日3-1
【第3話】
契約は慎重に
あれから彼は、テンパって泣きじゃくる私を優しくあやしながら…
色々と話してくれた。
自分は悪魔ではなくこの世界で言う所の【幽霊】に近い存在だという事。
人は死ぬと魂となり、通常なら自然に魂と存在(その人の意識)はリセットされ輪廻転生する。
しかし強い恨みや心残り等があると…希に魂と存在を切り放せず、存在をリセット出来ないまま幽体になってしまう…。
一度、幽体となってしまうと魂と存在が強く結び付いてしまい、切り放す(成仏)する事が困難になる。しかも、その原因である無念さの理由や記憶は酷く曖昧になってしまう
幽体となるとその先は
1、永遠の時間をその存在のまま過ごす…
2、魂もろとも消滅する
3、現世での心残りを思いだし、解決または消化し魂と存在の呪縛を解いて、通常通りリセットし輪廻転生する。
以上の3つだそうだ…
そして彼は…3の
【思い出し解決】
を選び、私を呼び出し現世とのパイプを作ったという事らしい…
で………
『まぁ大体は解りました…成仏する為に必要な…生前の記憶を探る事を求め…ここに来たと……』
「うん…実に簡潔だ」
『で…でも…!ちょっと待って!!何で幽霊なのにこっちの世界でも、見えるし触れるし普通に存在してるんですか?』
「それが…あのキス。魂の契約だ。」
………………
『やっぱり……私、魂抜かれちゃうんですか?』
「いや違う…取り合えず契約を結ぶとどうなるか説明しよう……」
1、互いの魂の力(霊力)で、守護者(死人)は具現化の能力(肉体)を得る事が出来る
2、主(生人)は一定の時間なら幽体になれる。
3、互いの感覚&状況を一定量感じとれる(人により誤差有り)
「そして次に契約に必要な条件だ…」
1、互いの霊力が高く波長がある程度合う事
2、両者の魂同士の繋がり(過去の前世等でのある程度関わりがある【親友、家族、恋人等】)が強い事…。
「……と、まぁ〜そういう事だ…。」