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命日が誕生日
【コメディ 恋愛小説】

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命日が誕生日3-3

『あのぉ〜…』

「どぅした?天迦…」

『ここ私のお部屋なんですが……』

「知っている」

『あの…明日もあるしそろそろ寝ようかなぁー……と思うんですが…』

「あぁ…今日はいろいろあった…ゆっくり休むと良い……」


……………


『…………ぃゃ!ぃゃ!ぃゃ!そうじゃなくて!あの!!…失礼ですが…その…出て行って頂かないと……ねぇ?』

「……??問題あるか?」

(あるよ!えぇ!ありますとも!!…い……いくらキスしちゃったとはいえ……いくら騎士さんだとはいえ………ねぇ?)

『あの……零さんのお部屋ありますよね?』

「あぁ天迦の父上から『零君はもぅ息子同然だから家に住め!!』と部屋まで与えて頂いた…。俺としては天迦の部屋の隅にでも置いてくれれば良かったのだが……」

(あの不良神主は…同じ部屋だと夜這いの楽しみがなくなるから敢えて別々にしといてやったぞ♪とのたまっていた……なんて父親だ……)

『あのぉー……やっぱり…仮にも…年頃の男と女ですし……それはマズイかと…ごめんなさい』

「……そぅか…解った。しかし…天迦!?
すぐに謝るのはお前の悪い癖だ…お前は何も間違いも悪い事もしていない
それに…俺の事は呼び捨てで良い。それと敬語も必要ない…。」

『で……でも……』

「お前は今日…己の死を目の前にした。
そして…今…お前はこうして生きている。
お前は変わる事を望んでいるはずだ…
今までは…仮に1人であったとしても、これからは違う…。
少なくとも俺は…もぅお前に自分は1人だ…などと言わせはしない…
大丈夫だ…
お前は変われる…
俺は常に、お前の側で、お前を見つめ、そしてお前の味方だ……
何も心配することはない…俺を信じろ」



………………



私は泣いていた



私はまた泣いていた



今日…いったい何度泣いただろう…



もぅ何年も泣いてなんていなかったのに…



好きだった人に



好きだった筈のあの人に、振られた時ですら私は泣かなかった……


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