年の差-3-8
「何で知ってるんだって顔してるなぁ?」
含み笑いをしながら、こっちを見る。
「何で…知ってるんですか?私の彼氏を…陸を。」
「だって、メールの着信画面見ちゃったから」
「…は?」
「北野のケータイ、開きっぱなしでよく机の上に置いてただろ?それで」
…何を言っているんだろ、この人は。
そんなことじゃなくて…
「知り合いですか?」
恐る恐る尋ねる。
「あぁ」
即答する。
「だって、高校ん時、一緒の部活だったからな」
え…すごい偶然…
陸と知り合い?
「それだけ…ですか?」
何でこんな言葉が出たんだろ…
それは多分、先生の表情が『ただの先輩後輩』で
ないことを示していたからだ。
「真下先輩は…」
先生が口を開く。
「俺のこと、恨んでいるかもな」
とても哀しそうに呟いた。