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独身最後の夜
【女性向け 官能小説】

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独身最後の夜-2

「いや〜。本当にあと一週間で結婚ですかぁ。何か心残りとかないんですか?」
明日菜は、何の気なしに柿崎に尋ねてみた。
「う〜ん。心残りか〜。そうだな・・・。」
両手をポケットに入れながら歩く柿崎は、軽く上を向いて悩んでいたかと思うと。急に立ち止まる。
それにつられて、明日菜も立ち止まる。くるっと横を向いた柿崎は、
「心残りといえば、お前を抱いていないことぐらいかな。」
そう真顔で言うと、ポケットから右手を出し、寒さに胸の前でこすり合わせていた明日なの左手をぎゅっと握った。
開いた口が塞がらないとはこのことだとばかり、明日菜はぽかんとした顔をして、柿崎を見つめていた。
そんな明日菜に、柿崎はニコッと微笑みかけると手をつないだまま歩き出そうとする。
「ちょ、ちょっと待ってください!」
ようやく我に返った、明日菜が引きずられまいと、左腕を引く。
「何?」
涼しい顔で答える柿崎。
「何ですか?この手!それと、さっきの答え!」
「何って、お前が聞いてきたんだろ?心残りは?って。だから、それが答え。で、せっかく心残りを思い出したから、心置きなく結婚できるように、実行に移そうと思って。」
「はあ?」
「うん。だからホテル行こう?」
またまた開いた口が塞がらない明日菜。
「な、何を言ってるんですか〜?」
明日菜の怒りが渋谷の街に響き渡る。ほどでもなく、渋谷の雑踏は痴話げんかにも見える二人の会話をそのまま風景に溶かし込んでいく。

「だーかーら!北田とHしていないのが、心残りだから、Hしようって言ってんの。」
逆ギレ気味に柿崎が返す。
確かに、明日菜と柿崎は、下ネタや自分の性生活もバンバン話しあえるような仲だった。いつだったか柿崎が自分のPCにダウンロードしているエロ画像を何故か一緒に見るようなこともあった。しかし、それは本人達がそういう関係にないからできた話であって、本人から直接そう言われれば戸惑いを隠せない。し かも相手は一週間後に結婚式を控えているというのにだ。

「ご自分の状況わかってます?来週結婚するんですよ?何血迷ってるんですか!」
「わかってるよ。だから今しかできないだろ?いいじゃん、お前、今彼氏いないだろ?」
「いや、そういう問題じゃなくて・・・。だいたいアタシごときとヤッたって面白くもなんともないですよ!」
「ヤッてみなきゃわかんないだろ?だからヤろうと思ってるんだし!」
「セ、セクハラで訴えますよ!」
「そんなことする子じゃないだろ北田は。」
「なんなんすか、その何でもわかってますみたいな態度!」
「わかってるから言ってんの。だって実質、嫁さんより長い時間過ごしてんだぜ?あとわかんないのは、体の相性くらいだろ。」
「それは、わかんなくてもいいじゃないですか!」
「いいじゃん、1回だけだから。絶対良い思いさせてやるって。」
まったく不毛な会話を繰り返していくうちに、だんだん明日菜は逃げられない気分になってきた。柿崎に対して恋愛感情は確かにない。しかし、これだけ長くペアを組んでいれば情はある。それもカッコいいとは、ずっと思っている先輩であり、柿崎のするSEXに興味がないと言えば嘘になる。


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