強さの果てに…-1
町の闇夜にうごめく2つの影。人々は眠りにつき、何がうごめいているか常人にはわからない。そして2人が止まったのは町からそう遠くは離れていない洞窟。
「…準備は良いか?」
「ハッ!全て万端整っております」
片方の人間が問い、もう片方の人間が応対する。
「そうか、頼むぞ…」
「ハッ!」
「待っていろ、龍騎…」
ところ変わってここは日本国トーキョー。先に言っておくが東京ではない。トーキョーである。そのトーキョーのとある家…。
「ンニャア〜!?遅刻だぁ〜!?」
ドタドタドタドタ!
「だぁ〜〜!!マズイ〜!!今日の朝食は〜…」
パクッ
「パン一枚くっときゃなんとかなるだろ!」
「おはようございます。ご主人様」
それなりに顔立ちが整っている青年が遅刻しそうになっている少年に恭しく挨拶をする。
「おう!おはよう翔!」
「あん、ご主人様〜!パン一枚じゃお腹すいちゃいますよ〜?」
艶やかしい声をだして少年にいう少女。
「平気平気!行ってきまーす!」
「あん、ご主人…様」
バタン
「いってしまわれたな」
「もう、ご主人様のいけず…」
「というよりもう少し普通に喋ったらどうだ…。軽くジャンルを間違ってると思われるだろうに…」
「えー、普通にしゃべってるじゃいのよ〜?」
「それより雪菜?お前もそろそろ学校だろ?」
「えっ?……あぁ、そういえばアタシの名前雪菜だったわね」
「それより学校は?」
「……創立記念日ってことで」
「だめだ、さっさといけ」
「ぶ〜…」
ダッダッダッダッダッダッ!
「ま、マズイ!流石に転校初日から遅れらんね〜!!」
▽▼▽▼▽▼▽▼
「ゼェゼェ…す、すいません…ハァハァ…おく…れまし…た」
「あ、あら。おはよう君が『炎豪夏希(えんごう なつき)』君ね?」
「は、はい。ハァハァ、遅れてすみませんでした…。遠藤先生ですか?」
「えぇ。…あの、もしかして走って来たのかしら?」
「え?はいそうですけど?」
「偉いわね〜?授業までまだ1時間もあるのに」
「い、1時間?今は8時25分じゃ…」
「いいえ、7時30分よ?」
「……やってしまった」
「まぁ早く来る分には問題ないわ。そこに座ってらっしゃい、いまコーヒーでも入れて来るから」
「あ、どうぞお構い無…」
「ミルクいるかしら?」