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BUCHE DE NOEL
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BUCHE DE NOEL-1

「入院!?」
「そうです。手術して、まぁ3週間ほど」
最悪だ。Xmasに間に合うかわかんねぇじゃねえか。
「あのー」
「なに?」
「手術しないとだめですか…?」
「アメフト続けたくないの?」
カルテを書きながら医者はふっと笑う。



俺、北條雪兎(ほうじょうゆきと)。
アメフトの試合で骨折、入院決定。



俺のXmasは!?




「あらぁ、こんにちわぁ」
俺の入院することになった308号室は、6人部屋だ。
「私、山下と申します〜」
「あら奥さん、もう若い子みたら元気になっちゃってやだわぁ」
「おほほほほ」
二つ、俺の目の前にはベッドの空きがあり、端に向かい合う形で山下さんと岡部さん(今の元気そうなおばさん)がいて、俺と岡部さんの間には。
「こんにちわ」
なんだかカワイイ女の子!
「名前は?」
「あ、雪兎ってんだ」
「ユキトって読むんだね」
ベッドの頭もとのネームプレートを彼女はのぞきこむ。
「あだ名はうさぎ」
「うそ」
「ほんと」
「ほんとに?」
「ほんと」
あはは、と快活に笑って、でも私はユキトって呼ぶね、と言った。
「君の名前は?」
「んー?」
「ま、り、あ?まりあちゃんか」
「あぁーッッなんでココ見るかなぁ」
と、ぱっとプレートをはずして布団に隠した。
「だめだった?」
俺はぽりぽりと頭をかく。
「自分で言いたかったもん」
ぷーとふくれっ面の彼女をみて、俺は笑みをこぼしてしまう。
「じゃぁ、どうぞ?」
手を彼女に差し向けると、やんややんや言いながら山岡コンビ(と呼ぶことにしよう)が、お邪魔しました〜とどこかへ行ってしまった。
「末永まりあ(すえながまりあ)」
「うん」
「うん」
満足した、と言わんばかりの笑顔で俺の真似をする彼女はなかなか可愛いと感じる。
「ねぇ、年は?俺19だけど」
「え?」
「年だよ!いくつ?」
うーん、とまりあは首をかしげて、悩ましげな表情をとる。
「いくつに見える?」
ひらめいた!みたいな表情。この質問を考えていたのだろうか。
「17?」
「じゃぁ17歳」
「おい!」
「うそうそ、ほんとは19。タメだよ」
にこっと笑う。



ちょっと俺、ついてるんじゃない?





Xmasまで、あと一ヶ月。





俺のLOVEライフは大学だけにとどまらねぇってことだな、神様サンキュー。






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