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BUCHE DE NOEL
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BUCHE DE NOEL-2

「おはよー」
くぅーっ、朝起きたら横に女の子がいるって、なんて素敵なんだ!
「おはよ」
おっと、下半身前方注意だ。俺はそっと隠すように布団をかける。
「ここの朝御飯、パンかご飯選べるんだよー」
まりあはベッドを降りて、俺のベッドの上に腰かける。ぴょこんとはねた寝ぐせが揺れた。
「そうなんだ。俺ご飯がいいな」
「じゃぁ言ってくるね」
看護婦さぁーん!と彼女はパタパタとスリッパを鳴らして行った。
「忙しい奴」
フッと笑うと、俺はこっそりと携帯をとりだし、メールを送る。授業のノート頼んで、あとは女の子との友好関係も忘れない。そして、まわりをキョロッと見回してテレビの下の引き出しにしまう。幸い山岡コンビは朝御飯を受取りに行ったのか、部屋には俺一人だということに今更気が付いた。
「雪兎ー!言ってきたよ!」
カタカタと自分の食事をもって、まりあは戻ってきた。
「ありがと」
「いいよ!」
ちょっと持って、と俺に食事の乗ったおぼんを持たせると、よいせよいせと折りたたまれたベッド用デスクをとりつけた。
「ありがと」
「いいよ!」
「真似した?」
彼女はおぼんをのせると、ベッドに戻る。
「ちょっとだけ」
「似てないーーー」
「似てないーーー」
「もう!」
俺がオーバーに真似をすると、プンとそっぽを向いて、パンにたくさんのバターとジャムを塗りたくった。
「まりあはパンがいいんだ?」
「うん、甘いもの好きだし、ココのパン美味しいの」
ガッチャガッチャ言わせながら、山岡コンビも食事をもって帰ってきた。
「あっ山下さんもパンだよね」
よいしょ、とセットされた机の上におぼんを置く。さすが、用意していくあたりまりあとは違う…。
「そうよ。ここじゃお菓子はたくさん食べられないから、こういうところで食べないと!」
「辛いよねー」
二人で首をかしげあう。気が合うんだなぁと俺はふんわりとした気持ちになった。
「私はご飯ですけどね」
岡部さんは、和に彩られた食事をとっていた。
「朝はご飯の方が気合い入りますよね!」
「そうね、元気が出るわね」
ずずっと味噌汁をすする音。にらみあう俺と彼女。そこに、これまた美人な看護婦さんが俺のメシをもってきてくれた。
「大盛り入れといたわよアメフトくん」
「あざいまぁーす!(ありがとうございます)」
「元気いいわね」
片付けは末永さんにお願いするね、と言われて彼女はパンを頬張りながらうなづいた。
「看護婦さんが片付けに来てくれたらまた会えるのに」
と言うと、やだぁそんな誘いには乗らないわよ、とひらひらと部屋から出ていった。
「最近の男の子はナンパ上手ねぇ」
山岡コンビは、二人でナンパについて昔の思い出話をスタートさせた。


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