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年の差
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年の差-0-3

山川とは俺の、4年下の後輩で、俺のの2つ左隣…つまり、彼女の隣に座っている。
背が高く、学生時代はバスケをしていたらしく、証拠となる体は、その凄さを物語っていた。仕事も出来るが、惚れっぽい。
次々と女性に告白しては、フラれたり、付き合うが、長く続かなかったり…そりゃそうだ。相手はいつも、彼氏がいたり、結婚していたりする人ばかりだからだ。
顔が女性がいう『可愛い』という系統に入るため、年上にはウケがいいが、噂によるとどうもマザコンらしい…


「なぁ、山川」
書類の整理をしていた、山川は、不思議そうに俺を見る。
「あの…さ、」
北野さんの、連絡先を教えて…とは言えなかった。何故なら…
「真下先輩、俺もしかしたら、今度こそ本当の恋を見つけたんです!」
と、いきなり訳の分からないことを言い出す。
「…は?」
「菜海ちゃんですよ!」
…はて?『ナミちゃん』と、分からない単語が…
「もう、どぼけて!先輩の隣にいたでしょ?」
…隣…バイト…
「北野さんかっ?!」
思わず大きな声を出してしまう。
慌てて周りを見渡す。幸い、半分以上は帰宅しているようだ。
「先輩、声でかいですよ…え?先輩、彼女の下の名前…」
知らなかった…
「…あ、もしかして先輩、菜海ちゃんのこと…」
好きなのか?そう尋ねられているような目で見られた俺は、
「ちっちょっと、聞きたいことが…あ、それで連絡先教えて欲しくて…」
「彼女、バイトですよ?何を聞くことがあるんですか?」
怪しい…目がそう物語っていた。
「いや…大したことじゃないんだ。んで、北野さんに頑張ってみるわけ?」
「はい!彼女の笑顔は素晴らしいですからね!」
嬉しそうに言う。
そうだよな。俺は10も離れてるし、それに比べたら山川は、顔はそこそこいいし、背は俺よりも高いし…
って、俺は諦めるのか?
「…冗談じゃない」
思わず、口に出してしまった。



山川が帰った後、ひどく後悔していた。
自分の気持ちを抑えてでも、連絡先を聞くべきだった。


そうしてるうちに、季節は変わり、忘年会シーズンを迎えていた−


場所は同じ部署の人達ばかり。女性が8人男性が15人と結構人数がいる。
「真下さん。ビール如何ですか?」
目がくりっと、髪形もばっちり決まっている、3歳年下の中部さんが声をかけてくれる。
「あ、中部さん、ありがとう…」
「もう!真下さん!そんな堅苦しい喋り方止めて下さいって!『中部』って呼んで貰っていいんですから!」
「いや…そうゆう訳には…」
「何言ってるんですか!私、真下さんのこと、尊敬してるんですよ?仕事出来るし、女性に優しいし…だから、もっと親しくして下さいねっ!」
ねっ!って言われてもなぁ…俺、はっきり言って、苦手なんだわ。こうゆう『私、可愛いでしょ?』タイプ、苦手なんだよなぁ…
「はぁ…」
適当に愛想笑いして、向こうが言っていることに、相槌を打っていると、左斜め前の方に、山川が女の子と親しく話している、よく見ると北野さんだった。
山川と話している彼女は、とても楽しそうに見えた。


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