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【DOLL】
【SF 官能小説】

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【DOLL:zero】-2

「…やっちまったぜェ……。」


男は己の所業に動じる事なく、ヘラヘラと笑った。

「手が滑っちまった………わりぃのはてめえだ……てめえが逃げようとしたのがわりぃんだ…!」

今はもう喋ることも動くことすら出来なくなった女に対して言い放った。

「てめえがおとなしくヤられてりゃぁ…こんなことにはならなかったんだ…!」


どうしようもない理屈を、無言で返す女を男は見つめた。


暗雲が退き、射し込む月明かりによって徐々に露になる女の容姿。

血の紅に染まりつつある金の髪。

この世の最怖を知り、見開かれた青い瞳。

死後硬直が始まっているのか、生きていた時よりもさらに青白い肌。

倒れた時の反動でスカートが捲れ、露になったままの秘部。死んでもなおも潤いを保ったままだ。


男は女の、淫歪な姿にゴクリと喉を鳴らす。

そして人道外れた行為に及び始めた。


「……まぁ…てめえには償ってもらわねぇと………なぁ?」

男の顔には歪んだ笑みが現れていた。


「死姦ってやつぁ……この上なく気持ちいいらしいなぁ」


そう言って男は女の死体を持ち上げる。瞬間、腹部の膨らみが明るみになる。しかし男は気にする様子もなく、腰に手を回す。



「……楽しませてくれよ…?」

その晩、男は女の中に白濁液を吐き出し続けた。



次の日の朝、その街から二つの死体が発見された。女と…男。女は銃で頭を撃ち抜かれ、男は後ろから鈍器で殴られた痕がありそれらが死因だったようだ。
また女には妊娠の兆候が見られたが、腹部はナイフで裂かれており胎児は見い出されなかった。
胎児は行方不明で、発見前に取り出されたものと見られる。人売りの犯行であろうが、人々はあまり関心を持たなかった。この街ではよくある事なのだ。


汚れた街。

腐った街。

脇を流れる川にはゴミや汚泥、生活用水が大量に流れ込み、異臭を放つ。


人々はそこで魚を釣り上げる。
その内に含まれる毒を知らず……。


釣られた魚に蝿が群れ、死に際に大量の子孫を産み付けられたとしても、何食わぬ顔で買われ、調理され、人々の口へと運ばれてゆく。


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