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秘書の恋
【OL/お姉さん 官能小説】

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課長と落ちこぼれ君…1-1

俺は今、説教くらってる。

この秘書課の課長、相良真緒(さがらまお)に。
確か今年で34になったはず。
独身…
浮いた噂は聞かない。

「…ねぇ、聞いてるの?」
「あ、す…すみません。課長…」
相良さんが俺をじっと睨んだ…
相良さんの前でペコペコするだけの俺。
あぁ、仕事ができないことが情けない。
「全く…だからあんたは仕事ができないのよ。
人の話くらい、ちゃんと聞きなさい。

もう戻っていいわよ」

…ちくしょう。
たった1つしか年変わんねぇのに何だよ、この扱い。

俺はふぅっとため息をつきながら席に戻った。

秘書課に、いていいんだろうか…

そう思うことなんか毎日のようにある。
ここにいる奴らは俺より年下がほとんどなのにメチャクチャ仕事ができる奴ばかり。
「畑中(はたなか)さん、元気出して下さい」
俺の右隣の席の松本梨絵(まつもとりえ)がガムを差し出してくれた。
「元気…出ねぇよう」
俺がデスクに顔を伏せながらそう言うと
「相良さんは…畑中さんのこと甘やかしてると思うんだけどなぁ」
と松本がボソッと小声で言う。
「んなわけないだろう…あんなに怒られてんのに」
松本が首を横に振った。
「畑中さんがミスしたとこ、全部相良さんが休みの日に会社来てやってるんですよ?
相良さんがこれはいけない、あれはいけないって言うのにやり直ししたことあります?

…『もうやっておいたから』で片づけられちゃいますよね?」

俺は目を見開く。
やり直し…したことない。
怒られまくったけどあの人が課長になってからやり直ししたことなんて…全然ない…と思う。

「だから、怒られたら逆に感謝しないといけないと思いますよ?
多分畑中さんにバレないように休みの日にやってるんだと思いますし。
あの人は基本的に人に見えないところで努力してますからねぇ…」
「そう…か」

そんなの聞かされて…俺はつくづくできない奴だと確信する。
はぁ…情けない…



土曜の昼過ぎ…
この時間によく相良さんが仕事をしていると松本から聞いた。
『仕事を第一に考えてるから浮いた噂もないんだと思いますよ』なんて言っていたが…
俺みたいな仕事のできない奴がいれば余計に仕事が増えてしまうんだろうな、なんて思ってしまう。

俺はパーカーにジーンズという格好で会社に出向く。
いないことを願う…
何だか心臓がバクバクと鳴っている気がする。
俺は何のために会社に来てるんだ?
相良さんが会社に来ているか確認して何になる?
自分の仕事のできなさがわかるだけだろ…


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