投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

冷たい情愛
【女性向け 官能小説】

冷たい情愛の最初へ 冷たい情愛 76 冷たい情愛 78 冷たい情愛の最後へ

冷たい情愛9 過去-15

あの人は…

私を捨てたわけじゃなかった…


人生のたった三年間…
その時間、彼は私に全てを教えてくれたんだ…



好きだった…
大好きだった…

忘れられるわけが無かった…

幼いなりに、一生懸命だった…
幼いなりに、愛していた…

彼が与えてくれたものは…
大きすぎて、私の全てを構成していて…


私は彼がいなければ…
今歩く道を、生きてはゆけなかった…

今の私…それは決して自分だけで得たものではなかった。


私は、山本先生の隣で泣きじゃくった。

彼が愛してくれたこの場所で…
彼と出会えたこの学び舎で…

12年分、泣いた。


貴方に会いたいと…
あの頃の貴方に会って…

「先生を愛しています」と…


幼なすぎて言えなかった「愛してる」という言葉を…

貴方は冷たくなんて無かった…
貴方は優しい人だった…

二度と会えない…
私が、愛した人だった。



校庭のグラウンドは、日差しが優しく注いでいた。


私の頭には…
その愛した人ではなく…

その愛を黙って見守っていてくれた…


同じく優しい…かつての恩師の温かい手があった。


・・・・・・・・・・・


一人で歩くと山本先生に伝え、私は校舎を回り始めた。

そういえば…遠藤さんは大丈夫だろうか…。
普段私と同じで仕事に追われ、疲れているだろうに…。

のんびり散歩を楽しんでいるのだろうか。

私は、過去に引き戻された時間から…
ふと現実に戻った。



・・・・・・・・・・


冷たい情愛の最初へ 冷たい情愛 76 冷たい情愛 78 冷たい情愛の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前