ヒメゴト〜secretroom〜-1
「また明日、同じ時間で待ってろ」
そう陽介が囁いた通り、
麻衣子は同じ時間、
同じ場所、
同じ格好で、
陽介を待っていた。
昨日陽介に荒々しく犯されたというのに、
身体は今日一日ほてり、
膣内はずっとぬめりをおびていた。
(早く…触ってほしい…)
今すぐにでも自慰を始めてしまおうか、
またあそこのソファで陽介が見ていてくれるかも…
引き出しを開ければ快楽を与え続けるアレもあるし、初めて指だけでもイケるかも…!
と、悶々としながら麻衣子は想いを巡らせていた。
何処を触られれても
すぐに絶頂に達してしまいそうな程、
麻衣子は緊張と興奮で
おかしくなりそうだった。
(……遅いなぁ…)
約束の時刻からはすでに一時間以上経過しており、
オフィス内は静まり
陽介が現れる事もなく
麻衣子は成す統べなく
途方に暮れていた。
(バカみたい…!また西田クンに抱いて貰えるなんて妄想して…!)
途端に今日一日の麻衣子の行動が羞恥に変わり、
顔を赤らめながら
素早く帰り支度をし、
帰路に着こうと
会社の玄関を通りすぎた
その時―――
後ろから強く腕を引かれ
麻衣子は大きくバランスを崩した。
「こんな遅くまで残業?ナニしてたの?」
倒れかけた麻衣子をうまく抱きかかえ、
耳元でそっと囁いた。
それが陽介だとすぐに気付いた麻衣子は
硬直した。
「や、止めて下さい。私もう…」
「もう濡れちゃってるんです?」
再度陽介が耳元で甘く囁いた。
それに反応するかの様に
麻衣子は耳から顔にかけ
真っ赤になっていく。
「図星?じゃあついて来て。」
くすくすと笑いながら、
麻衣子の腕を引き、
早足で歩き進めていく。
(痛っ…!)
何処に行くのかも分からず普段とは明らかに違う態度の陽介に、
捕まれた腕が痛い事も
スピードを落としてほしい事も
全部飲み込み
麻衣子はうつ向きながら
陽介の足を見つめていた。
そんなに進んでない様な
凄く遠くに来た様な
麻衣子は何処だかわからない場所で
陽介は歩みを止めた。