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trauma
【OL/お姉さん 官能小説】

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trauma-3

これは恋愛ものだが、バッドエンドで終わる。

百合はいつしか映画の世界にのめりこんでいた。
主人公は普通の女だが、だんだんと危険な男にはまっていく。普通に幸せを求めているだけなのだが、手にいれられない。

主人公が無理矢理男の人から関係を求められるシーンで思わず泣いてしまった。そして隣の彼の大きい手をぎゅっと握った。怖かった。男の人は自分よりも力強い。逃れるには、無理だ。

百合は知っていた。男性の怖さを充分知っていた。それは、経験していたからだ。レイプされたわけではないし、一応恋人同士だったとしても、あれは違った。半ば強引に手首を掴まれ、体を触られた。泣いたのに。やめてって言ったのに。
あぁ、1番目の彼も2番目の彼の時も、
━キモチイイ?━

キモチイイわけないのに。
頭をおもいきり殴られたように、世界がまわる。
グラン。
吐き気がした。

「…ごめん。浩一、ちょっと具合悪くって…トイレ行ってくるね…」
(…私って変なのかも。普通じゃないのかも。あんな映画見るだけで、気持ち悪い…普通の恋愛なんて、もう出来ないかも、無理かも…浩一…)

浩一の返事は聞こえなかった。うざったかったのかもしれない。

百合は少し、トイレで、泣いた。



「大丈夫?百合…」

彼は優しかった。ほっと胸をなでおろす。映画は途中からで、ぼんやりとした頭でぼんやりとしたまま終わった。
映画のあと、彼は心配そうに私を覗く。
「うん、大丈夫。ごめん、心配した?」

「すこしね。本当に具合悪かったら、言うだろうし。でもやっぱり家帰ればよかったかな」

「…なんで?楽しかったじゃない」

「…本当?」

「疑ってるの?」

「いや、楽しかったならいいんだ」

「浩一の家に行きたい」

「俺の家?」

「うん。…だめ?」

「…いいけど、明日仕事大変だよ」

「平気よ、早く行きたいの」

「わかった」



ガチャ バタン

「っ…」

ドアをしめると浩一は百合を玄関のドアにおしつけ、キスをした。それは先ほどのようなフレンチキスかディープキスかわからないようなものではなく、ねっとりと深く舌をからませて。


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