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ゆきのした。
【家族 その他小説】

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ゆきのした。-2

 初めて聞いた時は、クリスマスの日に限って何で…と悲しんだけれど
 「でっかいケーキとクリスマスプレゼントを買ってきてあげるから」の一言で
 悲しみから楽しみに一瞬で切り替わった。

 そこで僕は思いついた。

『たぶん父さんは疲労困憊で帰ってくるだろうな。 クリスマスの日には精一杯労ってやろう』と。

 姉ちゃんにこの話を持ちかけ、協力してくれと頼んだらあっさりと
 OKサインを出してくれた。

 後に、僕達が出来る限りの案を姉ちゃんに話した。


 そして行動を起こす日、則ち、クリスマス…今日に至り、僕と姉ちゃんは
 プレゼントの買い出しに出かけている最中であるのだ。



「…うーん」

「なんだ…考えてなかったの?」

「いやー……それより、透は何円持ってきたの?」

「…千円」

「え、それだけ?」

「……うん」

「…はぁ」

 これはこれで仕方ないと思うんだけれども…

 …言い訳は止めておこう。

「姉ちゃんはどうなのさ」

「あたし? あたしは…そんなに…そのぉ………」

 俯き気味にボソボソと喋る姉ちゃん。 後半辺りがまったく聞こえない。


 そういや一昨日辺りに友達と買い物しに行くとかなんとかで、お金を使ってたような
 気がしてならない。

 そもそも姉ちゃんのことだ。 元々計画性がない人だから、ほぼ使ってしまったに
 違いない。

 残金は……千円以下…かな。


「…まぁいいや。 とりあえず…そうだ、あそこ行こう! あそこ!」

「…あそこって……うわ、懐かしい…」

 そこはいろんな意味で話題になっているディスカウントショップ
 『ボン・チホーテ』だ。

 小さい頃、と言っても大分昔って訳じゃないけど、父さんと一緒に行って、
 おもちゃをいっぱい買ってもらった思い出がある。

 まだまだ僕は小さい。 でも、全然行かなくなっちゃったな…。


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