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小悪魔と忠実なるワンコちゃん
【幼馴染 官能小説】

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小悪魔と忠実なるワンコちゃん-1

やっちゃった……。
目覚めてみれば見知らぬ天井。
素っ裸のあたし。
下半身で後引くいやらしい名残。
そんなことよりも何よりも、側で軽くいびきをかいているこいつ!
はぁ〜〜。
なんでこうなったんだか……でも、嫌じゃないのが不思議。
幼馴染で1コ下で、酒より博打より女より車が超〜大好きで今や整備士になった、元ヤン馬鹿・鬼代人(きよと)。
同じく元ヤンの両親から生まれたくせに、ちっちゃい頃はあたしより小柄で泣き虫で、よく近所のコにいじめられていた。
それをあたしが蹴散らしてきたもんだから、未だに忠義で懐かれちゃってんのね。
図体ばかりがデカくて無口でガザツだけど、あたしの言うことは何でも聞く便利なワンコちゃん。
もちろん!
異性としての恋気はまったくのゼロ!


―――だったはず。



昨日は訳が違った。
待ちに待った夏休み!
焦らし作戦でGETしたイイ男と、グアムでリッチに過ごすつもりが!
空港に本命登場。
……あっけなく身辺整理されちゃいました。
このフェロモンバディは無効!?
若いだけが取り柄で他になぁ〜んにもない女のプライド、ひび割れたり。
悔ぢぃ!
勝者を乗せてグアム行の飛行機が青空を翔けたのを背に、鬼代人に携帯。
「あたし死んじゃうっ!」
約30分後。
グォングォォォ、ギュンギキ〜ギャゥンっ!
「明紅(めいこ)さん!大丈夫ですか!?」
車のタイヤを派手に軋ませてまで来た鬼代人。
さすが元ヤン、早い早い。
何かあれば仕事をほっぽいて、あたし優先。
いいね〜。
ゾクゾク優越感。
侮辱まみれに滾った心も、とりあえずクールダウン。
「どっか楽しい所に連れてってよ!」
「ふえっ?」
あたしの我儘にも文句を言わない。
「憂さ晴らししたいの!」
鬼代人に仕事をサボらせちゃお。
「ええ〜〜?」
さっさとキャリーバックをトランクに放って、キレ〜イに助手席へ納まったあたしに鬼代人はオロオロ。
「早くしてよ!どこだっていいじゃない?」


結局連れて行かれたのは、ちっちゃい頃よく鬼代人と家族ぐるみで遊んだことのあるテーマパーク。
ふん、冴えない。
同じプールでも、せめてお洒落なホテルぐらい連れてってよね!
やっぱり非リッチは駄目ね〜。
子供たちの歓声に混じってのプールは不本意だけど、グアム旅行のために新調したビキニもある。
これを着ない手はないわね。
むふっ。
でも何年ぶりだろう?
こうして、ふたりきりで遊ぶのは…。
懐かしい〜。
久しぶりに見た施設は記憶より小さくて、だけどウォーターアトラクションが増えていて楽しそう。
途中のディスカウントで買ったサーフパン姿で待っていた大男に、何故かドキッ。


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