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小悪魔と忠実なるワンコちゃん
【幼馴染 官能小説】

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小悪魔と忠実なるワンコちゃん-8

「あぅああっ??」
「好きよ」
風呂上がりの清潔な匂いにつられて、Gパン一丁の上腹に口づける。
せっかく用意してきた能書きも忘れて。
「…っ…!…」
むくっ、あたしの谷間に突くもっこり。
は〜、即物的な反応ね。
「す、すんません…」
目をそらして赤らめる鬼代人。
普段はクールなくせに、あたしの前では何故かヘタレになる。そのギャップ感がたまらない。
「ねぇ、今でもあたしが好き?」
立っているだけで部屋が狭く感じる存在に、ますます愛しさが募る。
「………好きですよ」
「へぇ?」
必殺、上目遣い。
「っ…、言わせないでくださいよ!恥ずかしいっ!」
「ふふん」
ごめんね、意地悪で。
しどろもどろな鬼代人が可愛くて可愛くて、Gパンのボタンを外す。
「しよ?」
トキメキが止まらない。



肩も凝らずに安心して、自分らしくいられる。
キスから伝わる温かさ。
鬼代人の硬肉が、ちょっとでもあたしの柔肉を掠るだけでも感じる。
―――そんな幸せ。


「なんでもっと早く言ってくれなかったの?」
布団で相性を再確認した後、聞いてみる。体の凹凸感を、掌で楽しみながら。
「……諦めていたんですよ」
あたしを抱く腕が強くなる。
「明紅さんって、一度こう!と決めたら頑固でしょう?」
「うん?」
図星。
「それに、駄目と言えば言うほどムキになって暴走するでしょう?」
「んんっ?」
図星図星。
「外面はいいけど、人の好き嫌いが激しくて……いったん嫌いになってしまえば徹底的ですしね?」
「ううぅ〜〜」
もう図星すぎっ!
「嫌われたくなかったんですよ。言ってしまえば、明紅さんを困らせてしまうのはわかっていたし……迷惑もかけたくなかった」
そこまで読まれていたんだ?
「……あたしのこと、よくわかってんじゃん?」
切なげに笑う鬼代人。
「ガキん頃からずっと見てきましたからね」
「けなげ〜〜」
数日前までのあたしだったら、マジ拒否っていた。
「だから、今で良かったと思いますよ」
そうね。
そうかもね。
視線を上げれば、そこにいるのは男の中の男。
ヘタレワンコも悪くなかったけど……こんな鬼代人も好き。
近すぎて見えなかった優しさに、あたしはたっぷり頼ってきたんだね。
「ありがとう」


無理して背伸びしてきた自分にさよなら。
こんにちは、等身大のあたし。


フラレて気づく存在。
今になって気づく恋。
それもいいかもね。


「愛してる、鬼代人」





《Fin》


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