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小悪魔と忠実なるワンコちゃん
【幼馴染 官能小説】

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小悪魔と忠実なるワンコちゃん-7

男は金。
愛は財布の中身次第。
同級で恋愛・結婚して子供2人を抱えながら、若さ故に大して稼ぎも貯金もないのに無理してマイホームを買った親。
「金がない!」を合言葉に喧嘩三昧で、物心ついた頃からずっとみじめだった。
だから、あたしは決めたんだ。
恋愛・結婚するんだったら、安定した将来が欲しい。
あたしが告るのではなく、告らせる。
それを信条に自分を磨いて、上手く演じ分けながら、いろんな男性と楽しく駆引してきた。
……つもりだったのにな。


前の男は、Myデータから登録抹消。
ありがとう、さよなら。
キャバクラで気合いを入れ直して、今日の客・弁護士に狙いを定めてみる。
店のアフターでロマンチックな一杯と、大人な会話を楽しみながら、いつもの通り将来を勘定してみる。
……空しい。
なんであたし、ここにいるんだろう?
客を見ているつもりの向こうに、鬼代人の影を見てしまう。
笑顔が引きつる。
乳首がじんじんする。
まだ鬼代人に抱かれた感覚が抜けない。
SEXは一種の武器。
メリットがなければヤる意味もないほど、恋愛にも淡白で、ベッドでも格好つけてきた。
だけど今は…。
馬鹿ね、あたし。
一番大事なことを忘れるところだったよ。
距離も計算も演技も忘れて、触れ合ったところから気持ちが伝わる。
テクが凄いとか、SEXが上手いとかじゃない。

―――心まで満たされた。

ただ、それだけで良かったのに。
鬼代人があたし好みのタイプにはなり得ない。
だけど何かあれば、誰よりも長く側にいてくれた。
客とこじれたり、ストーカーに狙われたり、落ち込んだりした時でも、呼べばいつでも駆けつけてくれた。


どこかで理想と本物を、はき違えていたのかな?


「……会いたい」



来ちゃった。
客とバイバイしたその足で、鬼代人のアパートに。
闇に浮かぶ月が、あたしの頭上でそっと見守っている。
「居たらいいな。居なかったらど〜しよう?居たらいいな。居なかったらど〜しよう?居たら……」
途中でブツブツ、いろんな不安がぐるぐる頭の中を駆け巡ったけど……
ひとりでは心細い夜道から、部屋の明かりを見つけた瞬間。
胸がバクバク、心拍数上昇。
居るんだ。
居るんだ?
うわ〜、吐きそう…。
男を堕とす方法は知っていても、たった二文字を伝える勇気がこんなにもキツいなんて…!
目の前のドアに、覚悟を決める。
―――ブウゥゥゥゥンン。
ん?
インターホーンの音まで改造してんのか、鬼代人はぁああああ!
騒音迷惑極まりないヤツ!
……くすっ。
それだけでもう、気がほぐれてしまった。
「明紅さん!?」
ドアを開けてびっくりな鬼代人の胸に、がっちりと抱きつく。


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