冷たい情愛8 錯覚な交わり-3
「入って…いいのか?」
私は必死に頷く。何度も何度も子どもみたいに頷く。
それしか出来ない…。
彼の固いそれは…優しくゆっくりと私の中に入ってきた。
温かい…
「目は閉じたままにするんだ」
彼はじっとしたまま、そう言った。先ほどとは全然違う、優しく響く言葉。
私は頷く。
逆らえなかった…
逆らいたくなかった…
彼の言うまま、私は素直に受け入れて…彼にだけ従いたかった。
大好きだったから…
「…いくぞ…」
彼は腰をゆっくり大きく動かし始めた。
それはきれいな規則で、私の奥に響き始める。
「うん…」
胸が苦しい…
幸せな心が私を侵食していく。
少し圧迫を感じる…それが私を幸せにしてくれた。
体はどんどん快楽を生み出す。心はどんどん幸せを生み出す。
彼は更に大きく動き始める。
その動きが、私の粘液を更に増やしていく。
「ああああ…ああ…ああ…」
奥上の一番感じる箇所に、届いてくる。
「はあ…もっと…声…聞かせて…」
私の上から聞こえる息が荒くなる。
そして彼は体を低くし、私を抱きしめながら…奥へ奥へと入ってくる。
温かい…彼の体温を私は全身で感じる。
「ああ…ああ…ん…ああ…」
彼がどんなに私を乱しているか…体を濡らしているか…
貴方の前だけで…こんな風に乱れるのか…知って欲しい…
貴方の言うままに、私はするしかない程…
貴方の事が好きだったのだから…
性器同士が起こす摩擦…
セックスとはそれだけもの…そこに少しの優しさがあればいい…
でも貴方は違う…
私を苛める癖に、私がいくら願っても応えてくれない癖に…
最後にはこうやって…自分から私を欲して、私に愛情を与えてくれる。