冷たい情愛7 side 紘子-2
「っきゃ」
浴室の明かりが消えた。
目の前が真っ暗になる。
「一緒に入ってもいいですか?」
遠藤さんの声。
「あ…はいっ」思わずそう答えた。
目が慣れて、少し回りが見えるようになる。彼は浴室に入ってきた。
彼の裸体を見るのは初めてだった。
長身ですらっとした彼の体は、綺麗に整った体だ。
「体、洗ってもいいですか?」
「はい…」私は彼が体を洗うスペースを作ろうと端に寄った。
ところが彼は私の動きを遮り、シャワーを私の体に当てた。
体を洗う…とは、私の体の事だった。
まるで彼の愛犬になったかのように…私は彼に全てをゆだね、湯を浴びせられている。
彼は浴室の棚にあるポンプに手を伸ばし、ソープを手のひらに広げた。
そのまま私の鎖骨下に粘質のソープを付着させた。
そこから彼の手は優しく動き始める。
私の胸を…優しく撫でる。
泡だってきたソープによって、その動きは滑らかになる。
くすぐったいような快感。
彼は何も言わず私の胸を洗う。
時々手のひらの動きを止め、親指の腹で胸の突起を弾くようにしてくる。
「あっ…」
その度に私は声を漏らしてしまう。気持ちいい…
胸の突起は、瞬く間に硬くなり…更に感度を上げる。
彼からは想像できない程の執拗な胸への愛撫に、私は四肢をじっとさせていられない。
「あ…ああ…遠藤さ…」
体の端々まで撫でて欲しい…
彼を見つめる。
彼はただ無心に私の体を洗い撫でている。そこには発情した雄の顔は無い。
私一人が鳴いている…本当に愛犬になってしまったみたいに…。
そのうち彼の手は動く範囲を広げ、泡を私の全身へと広げた。
背を洗うのも、彼は私の前に立ったまま。
彼に抱きしめられるような格好になり、私は彼の胸に頬を当てた。
彼の手は背面を上下に撫で、時に指でそっとなぞる。
ゾクッとする。
性器や乳房に与えられる快楽とは全く別のモノだ。
彼にされるがままに、私はその快楽を受け入れた。
シャワーを出したまま…浴室は蒸気で暖かい。
彼の胸に頬を当てたまま、私の息は更に熱くなる。
響く声が恥ずかしく、それを押し殺そうと更に彼の胸に顔をうずめた。
その瞬間、彼の発情の証である…硬くなったモノが私の皮膚に触れた。
びっくりして顔を上げる。