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jam!
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jam! 第4話 『Hello! pretty ghost girl.』-5

「…さすがにお前じゃ無理だろ。あの念魔相手じゃ」
「あら。私結構強いのよ?少なくともあの黒い獣なんかよりよっぽどね」
「…へぇー。そう」
「あー!信じてないでしょその顔はぁ!?ホントに強いのよッ!?」
「はいはい。そーだなー。お前は金縛り使えるもんなー。強い強い」
「ムカー!!!トシ君ムカつくー―!!」

……そんな風に騒がしく、僕らの夜は更けていく。


――千里が最初に現れたのは、もう三年程前になる。

中学生になったばかりの僕の部屋に、いきなり着物を着た女の子が現れたときはさすがにビビった。
でも驚きはしたものの、恐くは無かった。
だってさ、いくら幽霊だと分かってても、

「ヘイ少年!なんか君幽霊が『見える』ってホント!?」

……とか言いながら壁をすり抜けて登場してくる奴に普通恐怖など感じないじゃないか。

それからというもの、普通に会話ができる生きた人間の友達として、頻繁に遊びに来るようになったのだ。
ちなみに千里は『リショー』ではなく、僕の本名である『としまさ』の方を略して『トシ君』と呼んでいたりする。
幽霊生活は暇らしく、千里は時間さえあれば新しい能力の習得に力を入れている。
……覚えるのは別に構わないが、それを僕に試すのはやめてほしい。

「だって他の人にしたら迷惑かかるじゃない。その辺は人としてのマナーよ」
「僕にならいいのか……?っつーか金縛りする時点でマナーも何もねーよ!」
「もう、小さい事を気にしてると小さい人間になるわよ?」
「余計なお世話だ」

今ではすっかり慣れてこんな感じだが。別段危険はないので放置している。

「うーん、次は何を覚えようかしら?……そうね、そろそろ呪いにもチャレンジしようかな」

……前言撤回。
本格的に自分の身に危険が迫る前に二階堂さんに除霊してもらうべきかな、とか検討中だ。

そんな風に、割と変わってはいるが平和な日常を過ごしていた僕だった、のだが。

……このときはまだ、知るはずもなかった。

再び僕の平和を乱す出来事が、……次の日にやって来るという事を。


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