『陰幽霊光』-7
目を開けると……
そこは、
いつも通りの俺の部屋。
俺しか、いない。
いつも通りの俺の部屋。
目を閉じる………
暗やみの世界………
だが、
確かにそこにテレサがいる……
目を閉じなければ、
会えない彼女…………
「抱きつくなよ………」
テレサは健太に抱きつく、自分の存在を確かめるように………
《私、ここにいるよね?》
「ああ……」
《大好きだよ………》
「………俺も」
視えない………
だが、彼女が笑っているのが………
健太にはわかった………
《わぁ!》
「ちょっとま………
俺は目、閉じてんだぞ!」
テレサに腕を引っ張られる俺は悲鳴ものだ………
《ここに乗ろう!》
「ここ何番目?」
《一番前の席》
「い!?」
現在、テレサとジェットコースターに乗ろうとしている、俺。
「目、目を開けてもいいか?」
《だーめぇ》
「うぅ、拷問だ……」
テレサは、どうやら俺が目を閉じてないと何も出来ない…………らしいのだ。
テレサいわく、
俺が、目を開けている間は何にも触れないらしい。
………つまり、ジェットコースターに乗っている間………俺は目を開けられないのだ。