『陰幽霊光』-8
ピリリリリリリ――
ガタンッ
ゴトンッ
「うわぁ！？
う、動きだした！？」
《きゃはははははは》
なんとまあ、楽しそうに…
こっちは、必死で目を開けないようにしているのに…
「うぎゃあああああ！！」
《楽しかったね！》
「ジェットコースター……当分乗らないぞ………」
《アタッカー！》
来た！？
恐怖、『アタッカー！』
「だが、甘いな！」
俺は、目を開ける！
そこは、普通の遊園地……
俺の周りには普通の観覧者がいるだけ………
そして、目を閉じる。
《ま、まさかこんな方法で『アタッカー！』を、かわすなんて……不覚》
俺が目を開けている間は、俺にも、テレサは触ることが出来ない。
「『アタッカー！』破れたり……ぐぇ？」
《無言アタッカー！》
「き、汚いぞ……バタッ」
《あははははは！》
馬鹿なことしてるよな、俺
でも……テレサの笑い声が聞けるなら、馬鹿も悪くない。
「んじゃ、そろそろ帰るか？」
《うん！》
楽しい遊園地は終わった………
《あーすごく楽しかった》
「また、こような？」
《明日、行こう！》
「それは無理だな……」
《ちぇっ》
「……そのかわり、今度はもっと、大きい遊園地に行こうな」
《観覧車も大きいの？》
「もちろん」
《ジェットコースターも？》
「う………も、もちろん」
《そっかぁ………行ってみたいなぁ》
まるで子供のように、つぶやくテレサ………
もし、顔が見えたら
さぞかし、嬉しそうな表情だろう。
「ま、期待して待ってろ……………ん？」
健太は変な声を聞いて、道路を見る………