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男女8人恋愛物語
【学園物 恋愛小説】

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男女8人恋愛物語-1

〜the front incident〜
――――都内某所
べらぼうに高い値の付く土地にソレはある。
―――私立HaWks学園
たったの1平方メートルだけでもビックリする程高額な土地を手広く買い占め広大な学園都市にしたのは得体の知れない謎の人物、HaWksである。
姉のAquA.と共に学園事業を始めて早、1世紀ちょい。
“あら、もうそんなに(時代が)経つかしら”と軽く回想してみたものの、嘘か真か地球の創世時をちょっと過ぎた頃から生きている二人にとっては1世紀など瞬き程度にしか過ぎない。
しかし、元来自分達の嗜好に合う事しかしない彼女達が1世紀もこの事業を続けてこれたのは思いの外この仕事がその好みに合っていたからであろう。
でなけりゃ、こんな七面倒(しちめんどう)臭くて金のかかる仕事なんてやってられないハズだ。
――――こうしてみると1世紀というのは意外に中身の濃い時間だったなと振り返られる。
幾度となく、赤や黒(今やこの2色だけではなくなった)のランドセルを背負ったヒヨコ達を追いかけ、あどけない表情の残るセーラーや詰め襟達を見送り、更には立派な社会人になって帰ってきた彼等を迎える―――を繰り返した2人。
楽しい事だけではなかったが、持ち前の明るさとノー天気さで乗り越えてきた。

…そして、明治・昭和・平成と三つ目の時代を迎えた今、話の舞台を高等部生徒会にセットし、この小説はスタートする。

〜〜〜1th incident〜〜〜
――――生徒会長・白河渚(しらかわ・なぎさ)の朝は愛する彼女、新垣十(あらかき・みつる)のモーニングキッスで始まる。
高等部公認のカップルであり、生徒会を引っ張る会長と副会長の2人はクラスが違う為、その会えない時間を埋めるように朝は常にどちらかの部屋(ちなみに高等部は全寮制)で迎える。
男子寮、女子寮と分かれている寮は勿論互いに異性禁制なのだが、『先生達が不安になるのも分かります。人生の酸いも甘いも経験した大人から見れば僕達はまだまだ尻の青い子供でしょう。しかし、高校生にもなれば自分達で思慮の分別は出来ます!物事の善悪も分かります!高校生活はたったの3年なんです!この大事な時期だからこそ、思春期の僕達には恋愛というシュガーとスパイスが必要なんです!一日の始まりや終わり、記念日など大切な時間を大切な恋人と過ごしたいんです!なので、異性禁制は解いていただきたい!!』
兼ねてより生徒から『寮を異性出入り自由にしてくれ!!』との熱い声を受けていた渚は立ち上がり、教師へこう直訴した。 彼等はまだ渋い表情をしていたが、全ての決定権を握るAquA.とHaWks姉妹の『今時“異性禁制”なんてナンセンス!恋愛は人生のテキストブックなんだから堅い事言わないの☆』の一言によりあっさりと“禁制解除案”は可決された。
そんな裏事情を露ほども知らない生徒達は渚を偶像化して奉ったが彼にしてみれば愛する十と少しでもスウィートな時間を過ごしたかっただけの事。
しかし、そんな事(禁制解除)もあってか渚は今や高等部だけでなく中等部、大学院においても高い人気を得ている。
無論、人気を得る為には多少なりともルックスは関係するワケで、言わずもがなこの白河渚も世間で言う“イケメン”の部類に入っている。
189?の長身に甘いマスク、プラスアルファで頭も良し。それに加え強豪校のエースピッチャーとくればミーハー(死語)な女の子達は騒がずにいられない。
高等部内で配られる新聞部発行のオフィシャル紙“HaWkspress”で半年に一度行われる『校内で選ぶ!イケメン男子ランキング』では常に上位にランクインしている。
―――そんな高等部の王子を事実上独占している十へは、さぞかし風当たりがキツいと思われるだろうがご心配なく。
彼女も渚に負けず劣らずのルックス良しの1人なのだ。
177?の長身に、細身に関わらず『出るトコは出て締まるトコは締まる』羨ましい程のナイスバディ。つい目のいくバスト付近から目線を上げてみれば整った顔がちょこんっと乗っている。
…そんな美男美女カップルに手を出すなんて無謀な事は考えず、『自分達に釣り合った片割れを探そう』と(華やかな生徒会から一歩引いた、言わば一般ピープルの)生徒達は2人を公認のカップルとして応援する事にしたらしい。


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