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ブクブク………。
潜る。
全てを忘れようと
全てを水に流そうと
暖かいこの空間にいつまでも浸っていたかった。
しばらく今日のことを忘れてこの世界を漂っていた。息が、
息が苦しくなって僕は浮上した。
はぁっ死ぬかと思った。
僕は深呼吸をした。
その時、ぼんやり声が聞こえた。
「打てないって思ってただろ?」
誰?そうさ。打てるわけないって思ったよ。
「打てないことを前提で君はその先を見つめていた。」
だって打てなかったらやだもん。
怖いから。
「打てないと思い込んでいた世界の果てで都合よくよい結果が出るはずがない。」
じゃあどうしたらいいの?
「君の心が思いが世界をつくっている。闘う前からあきらめていたら、勝てるものも勝てないさ。」
そんなこと言ったって…
「しっかりを目を開けろ。そして信じろ。
おれは打てるんだと。
自分の可能性を信じて打席に立てばいい。
それから始まるんだから。
打ち崩せない世界を打ち壊すのは君がキミを信じられるかどうかだよ。」
………
「信じてみろ。おもいっきりの君を、君の想像力で。」
………………
信じる。
か…
そういえば僕は僕自身を信じてあげられなかった。
その声はもう聞こえなかった。
どこかで聞いたことあるような、優しく力強い父のようなあの声は。
僕は蛇口を思いっきり回して冷水を頭の上から思いっきり流した。
冷てっ
次の日曜日。
打席に立っていたのは先週の僕と少し違った僕だった。