さぁ満月だぞ!Act.5-1
彼と何度か出掛けた。
今日私おかしい。
別に洒落る必要ないのにシフォン系のフワフワしてる服を選んでる。
ミュールなんて履きなれないもの履こうとしてるし。
今日はプラネタリウムを見る事になっている。
メガネどうしよ…
コンタクトのストックないし…
参った…
『今日はいつもと違いますね!』
結局外してきた。
『だから何か?』
ミュールのせいで足が痛い。
『俺今ホームスターにはまってて、でもやっぱり大きい方が良いですよね!』
『でも家庭用のって大きな黒いカサで見ると更に楽しめるらしいよ』
『えーでも暗い部屋で野郎一人でカサさしてみてたら怖いもんがありますよー』
二人で笑った。
『あははっ!確かにキモイね!じゃ!私が一緒に見てあげるよ!』
はっとした。
彼の頬が赤い。
やだ。
私まで赤くなっちゃうじゃん…ばかっ!
機械音が鳴ると辺りが暗くなる。
アナウンスが入って輝く星達の説明が入る。
まだ顔赤いかな…
胸がドキドキしてる。
彼が好きなのかな?
いや…絶対違う!
でも彼だったらまた傷付いても良い…
ううん。違う。
彼なら傷付ける事しない。
ぎゅっと彼が私の手を掴んだ。
『俺は綿貫さんが好きだ。』
『知ってるよ。ばか。』
掴む手を私は強く握り返した。
『今度プラネタリウム見に行くから一緒に見ようね…』
また恋してみようと思った。