10年間の支配。(第一部、最初の1週間)-10
鎖で拘束され、閉じ込められた水槽から脱出するといったエスケープイリュージョンを行って
失敗した女子高生、白石瑞穂の話。有名な話だった。*妖し○書庫(http://sa○ashin.com/)の中の小説、「文化祭」参照
「あの事件があって、女子部員がみんな辞めちゃってね、男のエスケープなんて誰も見たがらない。そこで校長にお願いしてたら、
お前が来たんだ。なんでもMなんだろ。ちょうどいいぜ。拘束とかするからな!!」
「そうですね・・・」
奈緒美はMではないけど、この学校のみんなはそう思っていると思い、なにも言い返せなかった。
「まあ安心しな。俺達も鬼じゃない。いきなりエスケープなんてやらせねぇ」
「え?」
「エスケープも訓練が必要だ。まずは我慢する訓練から始めるんだ。」
「我慢・・ですか?」
「そうだ、水中脱出でもそうだけど、息を長く止めるって我慢、ようは忍耐力が必要なんだ」
「なるほど」奈緒美はなぜか納得していた。
「それにな、あの白石瑞穂の事件があってから、素人にエスケープさせるのは禁止されてるんだ」
「そうなんですか。」
「そこでだ、俺達は考えた。素人の女の子をエスケープの達人まで育てるストーリーを観衆の前で披露するんだ。」
「はぁ」
「まず第1回の公演ではどれだけ我慢できるか!ってテーマでお前に我慢をしてもらう。公演が繰り返されるうちに
お前は素人じゃなくなるから、正式にエスケープイリュージョンを行えるわけだ。」
「我慢ですか。具体的にはどんなことするんですか?」
「それは教えない。」
「なぜ?」
「教えたくないから。」
「そんな」
「来週、第1回公演がある。せいぜい我慢の練習でもしとけよ。」
「我慢の練習って、どんなことすれば?」
「息止め、長時間の正座、空気椅子、なんでもあるだろ!」
「はぁ、わかりました。」
「よし、もう帰っていい、今度の日曜の公演初日にお前に家に向かえに行く。じゃあな。」
(ったくもう、強引すぎる。でもさからえない。辛い・・・)
奈緒美はそう考えながらマジック部を後にし、校長室へと戻った。
奈緒美は校長から携帯電話を受け取ると帰宅した。
携帯電話はいつでも校長の命令を受ける為だ。
校長は24時間奈緒美を支配したいらしい。
まじめな性格の奈緒美はその夜、息止めの訓練を練習した。
(3日目)
教室へついた奈緒美はあたりを見渡した。
机も椅子もあるわけない。
(1時間目が始まるまで図書館にいよう)奈緒美は図書館に行こうとした。
「おい、佐伯!待てよ」男子生徒が呼び止める。
「なに?」
「これ付けて今日一日過ごせよ」男子生徒はニヤニヤしながらなにやら奈緒美に見せた。
「ちょ、これ!」
「そうだ、知ってるだろ、大人のオモチャ。男のナニを模して作ったやつだ。これアソコに差し込んで今日1日過ごせよ」
「バカじゃないの!?」奈緒美は怒って振り返り、図書館に行こうとした。
「お前さからう気か!!」
男子生徒は怒って奈緒美の背中に強く蹴りを入れた。