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A Footpoint
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A Footpoint〜Orign-2

そう…あの日の経緯と底に辿り着くまでの理由も…。


翌日は三連休の最終日で朝から春のような陽気だった。

あの後、一貴にこっぴどく説教をされて…何とか自力で家まで戻って来た…気がした。

そんなことを思い起こしながら、寝室のカーテンを開けると、太陽が眩しく、光が部屋に差し込むと…
全体が明るくなった。

この陽に助けられ毎月の電気代は最小限の基本使用料だけであった。

そうして今朝もお世話になりながらさて…

休みなのに予定もない、今日一日どうしようかと目に留まったのは
昨日充電せずに放置した電池切れの携帯電話だった。

俺は一貴に昨日のことを言うべきか迷った。


一晩中考えた結論を…


だが俺はもう彼女を傷つけた。


そんな俺にまだ望みはあるのだろうか?


はっと我に返ると俺は無意識に出勤体勢に入っていた。
ネクタイを締め、スーツを羽織…コートも着込み相棒のノート型PCを片手にアパートを後にしていた。
曜日でいけばいつもと変わらない時間…ただ今日が祝日の振替日というだけで…

道も、行き交う人も、変わっている筈がないのだが…何故か俺には新鮮に思えた。
…すっきりした朝など久々だからだろうか?


(…さて、これからどうしようか?まさかこのまま会社に行くわけにもなー)


ブツブツ考えてると足は駅行きのバス停へ向かっていた。


並ぶ必要もなく、定刻通り来たバスにも乗客はパラパラといるだけで、
いつもに増してエンジン音が五月蠅く体の芯まで響いてきた。

2人席を独占して、ガキみたいだがいつもの窮屈さを感じずに、
たまにしか味わえない優越感に浸っていた。

でも今更のようにまた彼女のことが頭をよぎる。


笑ったあの顔が…


『次は〜OO駅で御座います。ご乗車誠に有難う御座いました』


車内アナウンスを耳にして俺は、はっと胸ポケットからジャラジャラと小銭を出すと、
それを数えながらバスが完全に止まるのを待った。

そして久々にゆっくりこの懐かしい駅を探索するという予定を撤回して、
バスを降りると色々な想い出深い店たちを回ろうと決めた。


幾つくらい俺は店を回ったのだろうか?
変わらない雰囲気の街並みの中で俺は自分が今社会人であることを忘れかけていた。


(加えて彼女が隣に居ないことが切なく思ってきたな…)


もう言葉を交わすこともないだろうし、俺のことなど嫌いになってる筈だ。
あまりにもネガティブな思考へ走る自分が馬鹿馬鹿しく思えてきた。
そして最後にココへ辿り着いてしまった。


終わりとはじまりの場所にー


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