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A Footpoint
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A FootPoint〜想々-2

『諦め悪いからね?』
確か…そんな台詞を最後に言い残した気がする。
残りの学校生活も友達として過ごした…大学に入っても…。
でも…わたしはー……
「ずっとね…忘れられ…なかったの、別れた後も…言ったよね?諦め悪いって…」
「………………」
私の話に、彼は黙って耳を傾けてくれていた。
もうその時は気持ちを偽りたくなかったから、わたしは必死で言葉を捜していた。
「……今更っ、今更何だよ、とか思うだろうけど…
ずっと、今でも―雅黄だけしか好きになれないの」
もう7年も経ってるのにね、と自嘲しつつ彼の反応を窺った。
これで私の諦めの悪さがどれだけか判ったでしょ?そう思いながら…。
長い長い沈黙が過ぎていった。


「有難う…」
わたしは振られるの覚悟で言ったのに、彼のその返事の意味が判らなく首を傾けた。
彼はそんなわたしを見て、小皿に残ってた最後の1枚のクッキーを差し出してきた。
「あの時はゴメン…やっぱ遠回りしたけど僕も咲音が忘れられなかった」
わたしはクッキーを半分だけ受け取った。
そして私たちは笑って、またあの頃の話をした。


「あっ…わたしね、もうすぐ引っ越しするの」
「へぇ…もう部屋とか決めたのか?」
本当は貴方の家から離れた場所よ、と言っても良かったケド…
何となくそれを言うのは躊躇った。
「一応、候補は二、三あるわ」
「そうか…じゃあさ、其処やめな」
訳の分からない彼の発言。
でも、真面目な顔でこんな冗談を言うとは思えなくて…わたしは彼を見つめていた。
「こんな唐突で、自分勝手だとは思うケド…一緒に住まないか?」
わたしは口元を両手で覆い、ただただ首を縦に振ることしか出来なかった。
「7年分の穴埋めがしたいんだ…咲音、アリガト」


店内は暖房はかかってない筈なのに…不思議と温かかった。





【あとがき】
ここ半年くらいかけて温めてきた作品です。
特に『想々』これは、そうそうと読みます。
とあるサイトさまへ贈った作品でもあります。
長いことかかって作った想い入れのある作品です。
これからも宜しくお願いします。


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