きみのとなりへ 番外編@-5
その後、もっと遊ぶことになって、コンビニで朝ご飯を買って、美蘭山に向かうことになった。
コンビニから出発して3、4分くらいたつと、後ろから寝息が聞こえてきた。
「ふふ、二人とも寝ちゃった?」
信号待ちになったので、ブレーキをかけつつ、薫ちゃんが後ろを振り向く。
「寝ちゃってる。」
薫ちゃんはクスクス笑っている。
「なんかこの二人って、テンポが合っとうよね。」
「え?」
青になってアクセルを踏みながら、薫ちゃんは続ける。
「なんやろうね?よく分からんけど、のんびりしてる感じとか…恋愛を進めるテンポ…みたいなのが、なんか合っとう気がするんよね。」
「あー確かにね〜!」
薫ちゃんがまたクスクス笑った。
俺も、後ろの二人を見ながらクスクス笑った。
「やけんさ、なんか二人にはうまくいってほしいな〜って思ったりしね〜。私、沙癒大好きだから、幸せになってほしいなって。」
運転するキリリとした横顔が柔らかくなる。
俺はつい、見とれてしまう。
「…薫ちゃんは…」
「え?」
「あ、いや、薫ちゃんは彼氏いるの?」
「…うん、いるよ!」
………マジ…。
俺はガツンと殴られたような衝撃を受けた。
………ショックだ………。
「誠二くんは?」
「……え?」
「彼女〜!いるでしょ〜!」
「え、あ、まぁ…。」
「やっぱり〜!」
俺は思わず嘘をついてしまった。…でないと、気持ちがバレてしまう気がして…。
俺は思いきって聞いてみた。