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きみのとなりへ
【純愛 恋愛小説】

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きみのとなりへ 番外編@-3

次の日
また一平がニヤニヤしてる。くそぅ。

「お互い挨拶を交わせる仲なんだ!」

かわいい事言いやがって…。もっと近付きたいとか思わんのかなぁ。


そうだ!

一平には悪いけど、これを彼女の仲良くなるキッカケに利用させてもらおう!




そんなわけで、次の週のライブの後、俺は沙癒ちゃんと分かれた彼女に声をかけた。


「沙癒ちゃんといつも一緒に来てる人ですよね?」


彼女は驚きもせずに、

「うん。」

と笑顔で応え、

「一平くんといつも一緒にライブしてる人ですよね?」

と、ニヤリとして言った。

一瞬、…ん?、と思ったけど
なるほど、どうやら彼女も一平が沙癒ちゃんを気になってる事に気付いてるようだな。

俺はニヤリと笑って、「うん。」と応えた。

そして二人でクスクス笑った。

「誠二くん、だよね?」

「あ、うん。」

「私は、一ノ瀬薫です。よろしく!」

「薫…さん。」

「薫ちゃんでいいよ!みんなそう呼ぶから。」


それから少しその場で立ち話をして、ちゃっかり連絡先を聞き出して分かれた。

彼女は一つ年上の女の子。

話して感じたことは、薫ちゃんはカッコいい女の子だ。

丁寧だけどサックリした話し方、気さくですぐに打ち解けられるような雰囲気。

薫ちゃんも沙癒ちゃんから、沙癒ちゃんと一平がコンビニで挨拶をし合ってると聞いてて、もっと近付きたいとか思わんのかな、と思ってたらしい。

というわけで、お互いタイミングを見計らって、一平と沙癒ちゃんに連絡先を教えてあげようということになった。

「お節介かなぁ?」

そう言ってる薫ちゃんはすごい面白いものを見つけた子どもみたいな顔だった。
そういうとこがちょっと俺と似てる。

俺は薫ちゃんと分かれた後も、薫ちゃんとの会話をずっと思い返していた。


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