飃の啼く…第12章-5
「ッ…さくら…まずい…」
「ひょおらい(ちょうだい)♪」
上目遣いに、飃をみる。その半開きの目が、やけに淫靡で…飃の感情は一気に上り詰める。
下腹部で生まれた脈動が、身体を駆け巡る。
「っ…!」
まぶしい光に目を焼かれた時のような、一瞬の虚無の後、飃は自分がシーツを力いっぱい握っていることに気づいた。
放った後も尚、愛おしそうに舌での愛撫を続けるさくらをようやく引き離し、深い息をついた。あんなにされたら、危うく癖になってしまいそうだ…。
「つむじ?」
振り返ると、荒い息をついて苦しげな表情を浮かべた彼女がいた。
「欲しいな…。」
前戯をする前から、十分すぎるほどに潤っていた。腿の内側まで濡らすほど。
鼻腔を満たす、独特な香り。指を滑り込ませると、その刺激に小さな悲鳴が聞こえる。
「ぁん…。」
うっすら開いた口から漏れる声が、無意識のうちに、高まってゆく。
「っあ、あう…っ」
彼女が、こっちに手を伸ばす。その腕の中に納まると、彼女は飃の背中にその手を回して、キスをしたまま起き上がった。首をかしげて、深く深く、貪るように舌を絡ませ合う。
「ん、ふ…」
彼女が腰を浮かせて、いきなり彼のものを迎え入れた。
「ん・・・」
眉をひそめて、目を閉じる。もう、今日はさくらに任せるしかない。めったに無いシチュエーションに理性ごと飲まれそうになりながら、飃は思った。
「ふぁ…飃ぃ、ぃぃよぅ…」
潤んだ目は欲望で霞んでいる。軽く腰を動かすと、さくらの子宮の奥まで届いているのが解った。
「ぁっ、あぁっ…!」
飃にしがみついたさくらが、腕に力を入れる。
繋がったまま、さくらをベッドに横たえて、そのままさらに激しくついた。その衝撃に、さくらはもっと締め付けてくる。アルコールのせいで彼女の中は普段よりももっと熱い。
「はぁ…っ、つむじ、はげし……!も、…ぃっちゃぅ、ょお…!」
さらに大きく、深く貫く。
「あぁー…っ!」
シーツをきつく握り締めたまま、全身を痙攣させて、そのままさくらは気を失ってしまった。飃はがっくりと膝を突いて、息を整えた。こんなのは初めてだ。
そして、密かに思った。
こういうのも…たまには悪くない、ということ。