飃の啼く…第12章-4
「ほら、飲め。」
「ん。」
飲み干すと、幾分かすっきりした顔にはなったものの、目つきが怪しいし、顔は真っ赤だ。おまけに変にくねくねした動きをする。
「ぅぅうぅ〜…」
猫のように体制を低くして、こっちを見上げる。次の瞬間、
「にゃっ!」
「お、おい…!」
「にゃははは〜!観念しろ〜ぉ」
馬乗りになられて、ちょうど「その」場所に乗っかられてしまった。その暖かい感覚に…つい…
「およ?」
無邪気にさくらは覗き込む。いつもはリード役の飃が、酔っ払ったさくら相手だと調子が狂う。どうしたらいいのか途方にくれる飃を尻目に、もぞもぞと下のほうで何かしている。
「お、おい、こらっ…!」
抵抗むなしく、さくらの目の前にはそれが立ち上がっていた。
「おぉー!」
結果が予想できたので、もう力なく頭を横たえる。
「おっきぃ〜♪」
これで確定した。さくらは酒乱だ。
酒の力のなせる技。いつもは、こういうことに関してはかなり消極的なさくらなのに、今夜は…今夜は…
「…!」
びく、と身体を震わせる。根元から一気に舐め上げられて、なれない快感が飃を襲った。
「さく…よせ…。」
飃は止めようとした。なんだか、少し罪悪感があるのだ。めったに無いことだし、それに…。ちらっと下を見ると
「ん…ふ…っ」
頬を上気させたさくらが、無心にそこを…咥…とにかく、そんなさくらの姿に征服感にも似た満足感を抱いている自分がいることも、ちょっと後ろめたい。
「……。」
…今日だけは、身を委ねるか。
いつの間に…そんな疑問が一瞬浮かぶ。飃が立てる、ほんの小さな声や息遣いも聞き逃さずに責める。これで三度目だが、前よりも格段に巧い。
「…っは…」
額に汗が浮かぶ。いやらしい音が、身体中の感覚を逆なでする。