飃の啼く…第11章-8
「みなぃ…でょぅ…」
「それは無理だな。」
そして、いつの間にか彼の指が恥丘を包んでいて、ゆっくりと、これから何をしようとしているのか私にわかるように、私の中へ滑らせていった。
「はぅ…」
気持ちのいい場所を知っている飃の指は、たまに他の場所を攻めてじらしながら、私を見つめている。それを知っているから、わたしは目をつぶってただ声を上げる。
いきなり、飃の舌が私のまぶたを舐める。
「っひぅ」
「目を開けて、己を見ろ。」
耳元で囁かれる。屈するしかない。この声で囁かれたら。
私は、うっすらと目を開けて飃を見た。私の愛液で濡れた指を、これ見よがしに舐める。
「…っ!ばかっ!」
私は真っ赤になって飃を殴る。その拳すら、簡単に受け止められてしまう。本当に楽しいときに、飃が上げる笑い声。その息を感じながら、私は飃を受け入れた。
「ん…ふぁ…」
電流。飃は私を押し広げ、私がそれを包んであげるときの、狂おしいほどの快感。
「さくら…」
飃が私の名を呼ぶ。多分、無意識に。きっと私も、うわごとのように飃の名を呼んでいる。
「んッ…ぁっ…!」
あたりは痛いほどの静寂。それを引き裂く嬌声。水音、息遣い。
私の中で動くたびに、説明できない快感が体中を駆け抜ける。
苦しい。苦しいほど、気持ちいい。
「はっ、ぁっ、つむ、飃…っ?」
「ああ、一緒にだ、さくら…!」
最後の瞬間、私を胸の中にかき抱いて、深く、深いところで彼は解放した。
「は……ぁ…っ!」
そうして、いつものように二人で真っ白な世界へ身をゆだねた。外の雪景色より白い。一瞬の空白の後、汗ばんだ身体を重ねる。些細な刺激にも敏感になっている私は、自分のくしゃみに小さな悲鳴を上げた。
翌日、私はこの村の住人を一堂に集めてもらった。まずは、何か行動を起こさなくてはなるまい。
「みんな、おはよう!」
良く見ると、愛嬌のあるものばかりだった。茶碗、瓶、楽器に掃除道具、桶に、傘。たまに電化製品の付喪も混ざっている。その数ざっと70といったところ。
「この村を澱みたちから守るためには、私一人の力だけじゃ到底無理です。そこで…」
ここで言葉を切って、彼らの反応を見る。みんなこちらに注目している。何人かは、むすっとしてそばの家の屋根の上に腰掛ける飃をちらちらと心配そうに見ている。
「まずは、役割分担をしましょう。戦える者、手当てが出来る者、見張る者…もちろん、雑用をこなす役割の必要になるでしょう。」
そこで、おずおずと手を上げるものがいた。