さぁ満月だぞ!Act.2-1
『んっ…あっ…』
バイト中なのになんで私感じてんの?
足の間がぷるぷるする。
しかも横に人が居るのに…
『大丈夫?汗かいてますよ?』
隣の人が声をかけてくれた。
『…っ……大丈夫です』
そうだバイブが私の中に入ってるんだ…
ビリビリ振動し私の中を掻き回す。
自分でなんか、しかもバイト中になんか入れないし…一体誰に?
隣の人が耳元で息をわざとかけるように言った。
『気持ちいいの?こんなトコで感じてんの?』
『んんっ!』
犯人はこいつか…
チラリと顔を見た。
うっそ…
見覚えのある顔だった。
『イって良いよ?』
『あっあっあぁっ!もっ…だめぇっ!』
『ぎゃああああああっ!』
私は身を起こして跳ね上がって起きた。
汗が流れる程かいている。見慣れた部屋。
着慣れたジャージ。
夢か…
携帯を覗いて時間を見た。
まだ起床時間1時間前だ。
再び眠りにつこうとベッドに倒れこんだ。
にしてもすげー夢…
夢で良かった。
あんなAVみたいな事現実で起こったら洒落にならん。
私は欲求不満なのか…?
そりゃ2年もご無沙汰だが私はこんなにエッチではない。
二度寝したらまた卑猥な夢を見そうで眠れなかった。
ひとつ欠伸をしながら片手にカフェオレを持ちバイトへ出勤。
スタッフルームに誰かいる。
綾瀬さんだ。
おはようございます
お互いに声をかける。
個室に入り制服に着替える。
ボンッ!
今朝の夢を思い出して音が出そうなくらい顔が赤くなる。
夢に出てきたのは綾瀬さんなのだから。
本当なんであんな夢みたんだろ?
別に綾瀬さんが好きと言う訳ない。
むしろ好きでもあんな夢見たくない。
しかし綾瀬さんは悪くないと思う。
切れ長い目でクールな感じで27歳なのに童顔で大学生ぐらいに見える。
髪はサラサラだし妙な色気もある。
女の私よりフェロモンが出ている。
しかし好きではない。
問題は中身なのだ。
27になるのに呑気にフリーターだし彼は走り屋らしく将来車3台持つのが夢なんて言っている。
子供だ。
しかし仕事は出来るので尊敬はしている。
なぜ正社員にならないのだろう?
家の事情でもあって転勤不可なのだろうか?
人の詮索はしたくはないので色々考えるのは止めた。
煙草を吸ってひとつ深呼吸。