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fantasy ability
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reality ability‐第4話‐南の草原、wind grassland‐-2

〈カチャ‥‥〉

織音の構え型は同じだが何時になく隙がなかった。皇希の正体を知っているからだろうか、または本気で真剣勝負をするからだろうか。
皇希の表情は少し笑った様にも見えているが、何ヵ月も切っていない髪が邪魔でよく見えなかった。

「いいのか?この“力”の事は聞いているんだよな?」
「っ!?‥も、問題無いわよ!」

皇希は一瞬‥‥いや、変わる事も無く雰囲気だけを出したようだ。織音は一瞬怯むも直ぐに立て直した。辺りの神々は殺気を失った。

「ふっ、いい覚悟だ。流石は俺の親友だな。」

皇希も構え始めた。もちろん、構えの形はあの子供と同じだ。しかし、考えはよく解らない。信頼しているはずの織音を裏切るような事をしたり、己の身を捨ててまで仲間を助けたりしている。
前に凰輝との対話で言っていた自己犠牲型とは思えない行動を最近しているように思う。“真実”が皇希を変えているのか?
それはそうと、時は経っているばかりで二人は一向に動いてはなかった。辺りは二人の殺気や真剣な表情、雰囲気でやられた神が次々と出てきた。
ある神はその場で倒れ、他の神はその場を逃げたりしていた。最初から三割ぐらいから減ったようだ。‥‥数キロ離れた所に謎の人物が居た。
‥‥笑っている。その眼差しは真剣なのだが、口は笑っていた。と、目の前に凰輝が横切った。凰輝は一瞬だが謎の人物を見たが、直ぐに喧嘩中の二人を見た。

「‥‥‥なっ!‥えっ!?」

しかし、何を思ったのか、慌て振り返り止まるも既に謎の人物は居なかった。跡形もなく、一瞬で消えてしまった。

《‥‥見間違えか‥‥いや、似ていただけなのか?‥しかし‥‥》

凰輝は不思議に思いながらも、目の前で行われている喧嘩を目指してまた走り始めた。



「‥‥‥あぶない、あぶない‥‥‥」

いきなり現れた。同じ場所からなので、消えていたようだ。だが、気配も完全に隠せていた。凰輝が気が付かないのだから。



‐喧嘩中の二人‐

一向に動こうとしない二人。だが、織音が不利だった。織音の顔には汗や呼吸の乱れなどの行動が時が経つにつれ激しくなってきた。
一方、皇希は静かに構えていただけだった。その瞳には確実に織音を映していた。織音のような動揺や表面的には変化が無い。

「‥‥はぁ‥‥はぁ‥‥はぁ‥‥」
「‥‥‥」

まだまだ動きはしないようだ。



「っ!」

すると、皇希の視線が右に一瞬だけ動いた。織音はビクッとし、思わず行動してしまった。

〈シュン‥‥〉

消えたかと思うと皇希のすぐ左側に居た。そして、右手の剣で瞬時に攻撃する。

「‥‥皇希君!!」

凰輝が叫んだ。そう、皇希は凰輝の気配に気付き見たのだ。織音は皇希だけに集中していたようで気付いてなかった。


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