stand up to evil heart<少年時代・7-4
母「そうね…………罪を少しだけ償わせてほしい…………竜、携帯持ってる?」
竜「え?……ああ。うん。」
竜は頷き携帯を取り出す。
母「今から言う番号にかけてほしいの。」
携帯を開く。
母「■◆■…………、かけたら、耳につけて。」
竜がボタンを押した後、母親の耳に携帯をあてる。
母「……もしもし、静?………………。
ごめんね。静と麗には、迷惑ばかりかけてしまったね。
αという男に気をつけて……そう…………。
…………今までありがとう。」
母親はもういいよと、竜に合図する。
竜は携帯をしまう。
あと6分。
母「真君がピースチルドレンの本部に乗り込むそうよ。場所は‥‥。
……親友でしょ。
竜、これからどうするかは………わかっているはずよ。」
竜「母さん……」
父「もう時間はない……
おまえは、逃げるわけじゃない。
だから、もう行け……」
竜「父さん………」
竜が時計を見る。
4分47秒。
竜「……俺の両親は、頭いいくせに、馬鹿で………
でも、子供想いな偉大な両親です。
……ありがとう。」
自分は両親に何も出来ない。
せめて……
涙は見せない、笑顔で両親に別れを言う。
父親も母親も笑顔で竜を見る。
父「お前は俺の自慢の息子だ。」
母「立派になったよ。もう一人でも大丈夫。」
竜「うん…でも俺は一人じゃない。
真に東城さん、仲間がいる。
それに、父さんも母さんもずっと一緒だ。」
竜はそう言うと、両親に背中を向けた。
母「もう……振り返っちゃ駄目。」
顔は見れない……
もう二度と見れない。