stand up to evil heart<少年時代・7-3
竜「…………。」
立つことは出来た。
追い掛けることは出来なかった。
α「ふっ。」
αは出ていった。
激痛…恐怖…激痛…恐怖…恐怖…恐怖
あいつは人間じゃない。
竜はそう思っただろう。
「竜」
父親が呼ぶ。
痛みをこらえ、両親の元に寄る竜。
父「………親らしいことなんて一つもしてあげれなかったな。
……すまなかった。」
竜「まだ、そんな言葉聞きたくねーよ。」
竜はまだ諦めていない。
さっき奪った鍵を手錠の鍵穴に合わせる。
竜「…………ちっ。」
【チャリン】
鍵を投げ捨てる。
手錠は開かなかった。
【パンパンパンパン……】
自慢のエアガンで手錠を撃つ。
傷一つつかない。
それでも、撃ち続ける。
【………………】
…………弾切れ。
あと9分。
竜「……まだ弾はある。」
弾をポケットから出そうとした時。
父「もういい……ありがとう。
……おまえは生きろ。」
竜「ふざけんな!」
母「私達は大きな罪を犯したの。
罪を償うべきなの……」
竜「……死ぬことは罪を償うことじゃない。
生きて、生きて…………そうだろっ!」
母「そう………でも、私達は生きていちゃ駄目なの。
多くの人が命を落とした。
……私達がつくったもので。」
父「………竜。お前は私達とは違う。」
竜は、何も語らない。