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SLOW START
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SLOW START U-1

【初めまして。ユウキって言います。さくらから紹介されたんだけど、話聞いてる?】


メールがきた。
さっきまで初めての自慰をしていた事もあって口が半開きになりポカンとしてしまった。


もう一度携帯画面を見てから遅れてドキドキと心臓が鳴り始めた気がした。

…どうしよ…どうしよ…久しぶりだよ〜この感じ!


あたしは軽いパニックを起こしながらも返信ボタンを押した。


【初めまして。話聞いてます。あたしは晶(あきら)っていう者です。男みたいな名前ですが、正真正銘女です。よろしくお願いします!!23歳になりました!!】


…こんなもんだっけ?最初はもっと可愛くした方がいいかな〜年齢報告はおかしい?…


男の人とメールをするのも久しぶりで何をどう打っていいのか忘れてしまったので、さくらにアドバイスと相手の情報を貰おうと、とりあえず作りかけたメールを保存しようとした。

がボタンを間違えた。

押してしまったのは送信ボタンだった。


「…ほわぉ!送信って!」
急いで中止を押したが間に合わなかった。

…やっちまったぁくそ〜


なんとも言えない脱力感が襲ってきてその場に座り込んだ。
その時、自分がまだ全裸であることに気付いた。

…服着よ…


意味不明なメールを送信してから1時間経った。返事はまだない。

「そりゃあね…はぁ〜」


あんなメールで返事なんてくる訳ない。自分が送ったメールを見返してため息が出た。


もう諦めて寝ようと電気を消してベッドに入った。
携帯は気になったが緊張疲れですぐ眠りに就いた。



…ん?携帯鳴ってる?

枕の横に置いておいた携帯がない。ベッドから這い出して床に落ちて鳴り続けている携帯を取った。


まだ開き切らない目を画面に向けた。

【おはよう。昨日は返事出来なくてごめん。寝ちゃってた。
こちらこそよろしくね。正真正銘の女の子へ(笑)】

眠かったまぶたは一瞬で開いた。

なんとか平静に普通を装ったおはようメールを送るとデジタルの目覚まし時計を見た。
7時35分に表示が変わった。


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