stand up to evil heart<少年時代・5-3
茜パ「あの、もう1人の坊主はどうした?」
茜「朝、起きたらもういなかったの!」
茜パ「……そうか。…じゃあお前たちだけでも。」
茜パパが真と茜に早くしろと手招きする。
茜「パパはなんか知ってるの!?天童君の事!煉君の事!……そしてこの事件のこと!」
茜パ「……早くしろ!……ここらへんはもう危険だ!」
真「ちょっと、俺ん家にお母さんが!ここらへんが危険なんだったら、俺ん家だって!」
真が母親が心配になり、家に向かおうと、玄関で靴をはいた。
茜「ちょっと!真!……パパ、車で真ん家まで向かって!」
茜パ「おい坊主!母さんなら大丈夫だ!今から向かう所にいる。」
真「えっ。なんで?」
真は外に出ようとドアノブにかけていた手を離して、茜パパの方を向く。
茜パ「車ん中で話すから、早くしろ。」
茜パパは状況をまだ理解できていない2人を無理矢理車の中に押し込み、車を発進させた。
色々と聞きたかった2人だが、色々ありすぎて。そして、何を聞けばいいのかわからず、何も聞けなかった。
そして、1時間車を走らせ知らない町まで来たとき、とうとう口を開いた。
茜パ「坊主の母さんは国の秘密組織で働いている。マダーオルガンに対抗するために創られた組織に。そして、俺も。」
ずっと窓の外を眺めていた2人が、茜パパの方を向き、大事な話をしているとわかった2人は、黙ったまま、茜パパの話を聞く。
茜パ「今、マダーオルガンが国に喧嘩を売ってきた。まぁ、2年前ぐらいからそんな感じだったんだけどな。
でも、今から本格的に動き出す。
そして、ピースチルドレン。国とマダーオルガンが戦って共に消耗したら、2つをまとめて潰しにかかってくるつもりだ。
そこで真お前に頼みがある。本当は国の役目なんだか。人手不足でな。……聞いてくれるか?」
真は静かに頷く。
茜パパはバックミラーでそれを確認し、頼み事を話し始める。
茜パ「お前にピースチルドレンの本部に侵入してもらい、爆弾を仕掛け爆破して貰いたい。今は、本部には、幹部やらしかいないだろう。ただピースチルドレンの本部の動きを止めるだけでいい。」
真はYesともNoとも言えない。まだ頭の中を整理出来ないのだろう。
茜「そんな危険な事、パパが入ってる組織の奴らにやらせればいいでしょ!いくら人手不足だってそんなのおかしいよ!」
茜は真の手を握る。真と離れ離れになるのが嫌なのだ。そして、真が死んでしまうかもしれない場所に行かしたくないのだ。
茜パ「2回、組織の人間にその作戦をやらした。2回とも失敗した。
……子供にしか入れない場所なんだとわかったんだ。大人が入ると頭がおかしくなってそのまま自分で自分を殺してしまう。なぜだかわからないんだがな。」
茜「なんで?なんでそれが真なの!?」
真「いいんだ。茜。あいつらには、やられた借りがあるし。それに、この戦いを止めたい。」
真は茜の目を見て言う。