『ロマナスの末裔』-7
「オマエの好きなマンゴー・プリンを買って来たぞ。これなら食べられるだろう」
慎吾は麻美の半身を起こすと、プリンを渡そうとしたが、
「お父さん…食べさせて…」
何か言おうとしたが、病気だという事もあり仕方なく慎吾はスプーンにプリンをすくうと麻美の口元に持っていった。
首から下を毛布にくるまれ、身体を起こす麻美。慎吾の差し出したスプーンを含むと、唇をすぼませ〈チュル〉という音とともに喉がコクンと揺れた。
「冷たくて美味しい。もっとちょうだい」
麻美はそう言うと唇を開いた。慎吾はその仕草を見て心の奥に隠していた〈男〉が疼いた。
「お父さん?」
「ああ…すまん」
慎吾は再びスプーンでプリンを与える。それを食べる麻美。何回も続けるうちに、麻美の唇がプリンの水気で濡れてきた。
「冷たくて美味しかった」
「オマエ、ユニフォームのままじゃないか」
慎吾が問いかける。
「部活の最中に倒れちゃって…そのまま病院に行って帰ったら…力が抜けて…」
「そのままじゃ気持ち悪いだろう」
「うん…すごく」
「ちょっと待ってろ!」
慎吾はそう言うと階下に降りて行き、洗面器とタオルを持って来た。
「これで身体を拭いて。そして着替えるんだ」
慎吾は洗面器のお湯にタオルを浸すと固く絞った。そして麻美の服を脱がせようと手をかけた。
シャツとを脱がせる。麻美は下着姿になった。慎吾はブラジャーを外した。
乳房が晒される。麻美の頭は熱に侵されながら、状況を懐かしんでいた。
(お父さんの手。冷たくて気持ちいい…小さかった頃と同じ…)
「…う……ん…」
慎吾の持つタオルが麻美の身体を拭う。二の腕から首筋。胸元から乳房に触れた。
「う…お父さん…気持ちいい…」
撫でるように乳房に沿ってタオルを動かす。ザラついた感触が先端に触れた瞬間、麻美は眉間にシワを寄せる。
乳房は弾力を増し、埋もれていた乳首が立ってきた。
慎吾はタオルを洗面器でゆすぐと再び固く絞ると麻美の脇の下を拭いた。剃り跡からわずかだが毛が生えていた。
「背中を拭くから。ちょっと起こすぞ」
慎吾は半身を起こす。麻美は合わせるように髪を束ね上げる。えりあしの毛が艶っぽい。
気持ちを否定するように拭く慎吾。肩甲骨の辺りから脇腹、腰へとタオルを這わせる。
半身を拭き終えた慎吾は、替えのシャツを麻美に着せた。