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彼、私
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彼、私-1

彼に愛されたい。



高校になり、忘れ去りたい過去を拭いきれぬままあっという間に三年になっていた。
進路のコト、別れた彼氏のコト、才能の伸び悩み、小学校から中学の終わりまであったイジメ、両親の離婚、家庭環境の悪化・・・。
気付けば私は精神病になっていた。

そんなとき、彼と出会った。

私はいつも誰かと付き合うときは年上か、同い年でも大人びた雰囲気のある人とばかり付き合っていた。
甘えたかったから、支えてもらいたかったから・・・。
好きでもないのに付き合って、相手を傷付けることだってあった。
その不毛な行為を止めてくれたのが彼だ。
こんなときにだ。好きという感情も麻痺し、性欲など一片も感じないような私が彼を知った瞬間に心臓を掴まれる感覚に陥った。

人生初の一目惚れ・・・。

いつもの私なら考えられないようなこと故に私は私自身に困惑していた。

いつも友達のように接していた。
好きという感情を押し殺し、彼の過去に好きになった人の話を平然と聞いていた。
内心、悲しかったのは言うまでもない。
しかし、私を信頼してそんな話をしてくるのだ、いいことじゃないか、と自分に言い聞かせてニコニコと笑っていた。

ある日、私はあまりにも愚かなことをした。
好きという感情を抑えきれずに、ただ彼に好きという言葉も告げずに、キスをしたのだ・・・。
当然、彼は驚いていた。この歳だがファーストキスだったらしく、無理もない話だ。
その行為に1番驚いていたのは私であったが・・・。
感情と身体が別々になってしまったように、私は彼にもう一度キスをしようとした。
次は向こうから・・・。
それも舌を入れてきた。

好きな人すら信じることの出来ない私はこの時点で彼を疑い始めていた。
しかし、彼を求める心は揺らぐことなく胸に居座り続けた。
彼にどうしたいか問うと、現状維持と言われた。
あっさりフラれた・・・、のかと思っていたが違った。
付き合わないが、恋人のような関係。
セフレではないだろうかと悩んだが、心が彼を求め、身体も彼を求めている事実を否定できずにその関係になった。
キスも、フェラも、彼が求めればした。
私は感情の壊れた人形だ。好きに使って、飽きたら捨ててくれればいい・・・。
本当にそう思っていたが、何故か、愛してほしいと願った。
不信感と彼への想いとのジレンマに押し潰されそうだった。

好きだよ、と言って抱きしめてくれる彼。
でも、恋人にはなってくれない。
昔、好きになった人を引きずってるから。
私との関係がうまくいかなくなるのが怖いから。
じゃあ、なんで好きなんて言うの?
私が男友達と仲良くするだけで嫉妬する彼。
本当に好きか、と問われたときの切り札みたいにしか思えない。
こんな心の歪んだやつを好きという彼を信じられなかった。
そんな自分が嫌で、手首を切った。
怒られた。泣かれた。
私は彼に溺れているのか、それとも恋に恋しているのか・・・。
悪い考えしか浮かばず、彼に会い、抱き合って落ち着く。
まるで麻薬のよう・・・。
好きという言葉ではヌル過ぎる。


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